LalaーMukuーMerry

パピヨンのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

パピヨン(1973年製作の映画)
3.7
優しい感じのテーマ音楽はよく聞くから、タイトルとスティーブマックイーン主演ということだけは知っていたが、こんな内容だったのかと今さら驚く。囚人監獄からの脱出の話、時代は1930年代、舞台は南米フランス領ギアナ、どれもテーマ曲の印象とはかけ離れた感じ。フランスの重罪犯はかつてこんなところに「島流し」になっていたんだな。
          *
前半は多くの囚人が強制労働させられる監獄生活の様子が描かれて暗くて重苦しい雰囲気。中盤からは逃げ延びた先での漂流記のような様相になり、原住民と一緒に暮らし始めてからは南国の楽園生活のような雰囲気に変わる。だがそれもつかの間、再び逮捕されてもとの監獄に戻されてしまい、決して逃げることができないとされる海の孤島に島流しになる…
          *
原作者のアンリ・シャリエールの体験記をベースにした作品。この人25才の時(1931年)、殺人事件の容疑でギアナに無期懲役の受刑囚として送られ、何度も脱走を繰り返し、9度目の脱走でコロンビアまで逃げるものの結局失敗(1933年)。監獄に戻されて長い独房生活を経験した後、38才の時(1944年)ココナッツの身を入れた大袋を使ってついに脱出に成功、ベネズエラの市民権を得た、となってます。細部の違いはあるものの全体として確かに彼の伝記をベースにした作品のようです。すごい人生だワ。自由を求めて死を賭して脱出を試み、見事に成功。その後自分の体験をもとにした小説を出版して大ヒット(1969年、63才)。映画の完成を見る前に死亡(1973年)。
          *
脚本のダルトン・トランボもアメリカの赤狩りの時期(1947年)に映画界から追放された経験があり、追放後も名前を伏せて名作の脚本(「ローマの休日」!)を書き続けた脚本家だそうです。いわくつきですね。
         ***
漂流記やら波乱の人生という観点からなら、日本にも凄い人がいる。ジョン万次郎(中浜万次郎)。この人を主人公にして是非、NHKの大河ドラマにしてほしいなぁ。この人について書きだすと長くなりそうなので、これだけにしておきます。