キューブ

パピヨンのキューブのレビュー・感想・評価

パピヨン(1973年製作の映画)
3.5
 原作者自身の実体験を脚色したのがこの映画である。様々な囚人達が集められた狂気の監獄があるデビルズ島から彼らが試みる何度もの(映画では2度)脱出を描いている。
 ドガを助けるために独房に入ったパピヨンがあまりの苦しさにおかしくなる演技はマックイーン自身の中でもトップクラスに入る作り込みだ。もちろんいつもの「なにしてもかっこいい」マックイーンも健在であるが、それと狂気の演技とのギャップが大きくて衝撃度も高い。ダスティン・ホフマンも堅実な演技(といっても彼としてはだが)で繰り返しの脱出で少しずつおかしくなるドガを繊細に演じている。
 だが後半はいただけない。監獄での閉塞感やいつ死ぬか分からない恐怖感があるが、脱出してしまうとこれらがすべて消える。訳の分からない先住民との交流や現地で捕まえられていた変なおっさんとの逃走劇など物語上意味があるとは思えないシーンが多くてだれる。こういうシーンを無くしたらもっと上映時間を短くできて観客にも飽きがこないだろうに。
(11年6月5日 BS 3.5点)
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