ずどこんちょ

パピヨンのずどこんちょのレビュー・感想・評価

パピヨン(1973年製作の映画)
3.4
主演は『大脱走』でお馴染み脱獄俳優のスティーブ・マックイーン。彼の脱走に協力する囚人仲間であり相棒役はダスティン・ホフマン。豪華な共演でした。

無実の罪で囚われたパピヨンが14年間閉じ込められたのは、フランス領ギアナにある地獄の刑務所でした。壁を乗り越えても何もない絶海の孤島。
ワニが潜むジャングルで強制労働を課せられ、衛生は保証されず、次々と囚人たちが病気になったり自殺をして死んでいきます。
少しでも脱走すれば銃殺されるか、すべてを奪われる独房に閉じ込められるのです。

主人公パピヨンはそれでも諦めず、仲間を作って脱獄を図ります。
超緊迫した脱獄後に訪れるのは、原住民集落でのひと時の憩いの時間。娘と良い感じになり、長老に刺青を入れて……って、なんだこのさっきまでとはまるで空気の変わった超展開は?と思いきや、本作は事実のお話なんですね。
事実は小説より奇なり、とも言いますが、パピヨンの脱獄劇はまるで何か大きな存在に操られているかのように翻弄されます。
神様に導かれて成功の兆しが見えたかと思えば、信頼していた男に裏切られ、独房に入れられ、ようやくチャンスが訪れたかと思えば、追っ手はどこまでも追い詰めて……。
無実の罪で囚われた男が、自由を手にするために執念で闘い続けた粘り勝ちストーリー。「絶対に帰る!」という執念を燃やさなければ、きっとあの独房でパピヨンは死んでいたことでしょう。