断片的に見たことはあったが今回ちゃんと最後まで見た。基本面白いが、小津安二郎の頃と比べて日本は退廃したとケツ振ってる映像流す日本のテレビに言われてもやはり困る。ヴェンダースは当然知らないだろうけどそれは単なる「タモリ倶楽部」なので（笑）。日本人のくせにアメリカ被れだ、と異様に見える人たちだったとしても、代々木公園で革ジャン着てツイスト踊ってる若者たち、今ではきっと5、60ぐらいだろうけど今頃どうしているのだろう、が愛おしい。そっちが勝手に抱いてるオリエンタリズムが失われたと嘆く前に坂口安吾の「日本文化私観」でも読んでくれ。小津自身がそもそもアメリカ映画志向でもあったわけで。最悪なことだらけでも、この表象の帝国（笑）で生きるのは「日本人」以外も含めてこの国に生きてる人たちでしかないのよ。この映画の映像は冒頭とエンディングに引用される『東京物語』の映像に結局勝ってない。まぁ勝てないんだろうし勝とうとも思ってないんだろうけど。
