優しいアロエ

現金に体を張れの優しいアロエのレビュー・感想・評価

現金に体を張れ(1956年製作の映画)
3.8
 スタンリー・キューブリックの初期の作品をいくつか観てみると、彼も案外俗っぽい感覚の持ち主だとわかり、親近感が湧きはじめている。

 おっさんたちのケイパーモノ。時系列の並べ替え。そして、絵に描いたような因果応報。ケイパーモノというのは、自己実現だったり、女性を振り向かせたい思いだったりが根底にあり、この「ダメ男の一念発起」的なニュアンスが堪らないのである。

 ただ、もう少しキャラクターの個性を描き分けてくれると尚よかったかなという感じではある。『オーシャンズ11』のように能力で差別化を図っても(ベタではあるが)アクションとして華が出ると思ったし、そこまでしなくてもせめて性格やバックボーンには違いが欲しかったところ。全くないわけではなかったが。
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