なのきゃす

スモークのなのきゃすのネタバレレビュー・内容・結末

スモーク(1995年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

毎日同じ場所同じ時間に写真を撮り続けるオーギーの「全部同じようで全部ちがう」という言葉に全て詰まっていたように思う。

妻子を亡くした小説家、
蒸発した父親を探す少年、
ヤク中の娘を心配する母親、
過去にとらわれる男、
静かに町を見守るタバコ屋のおやじ、
ブルックリンの片隅で、同じようにタバコを吸っていても全く違う人生を送っている彼らが、タバコや5000ドルを介してどこかで繋がっている。 
タバコ、5000ドル、コーラ、カメラ、
そういった小道具の使い方がよかった。


オーギーが娘と初めて会って散々な思いをして別れた後、部屋に残された娘の表情がなんとも言えない。
本当はやっと会えたことが嬉しかったんじゃないか、別れるのが悲しかったんじゃないか、もう会えないと悟ったんじゃないか、会えなかった父と会えなくなった子供を重ねたんじゃないか、といろんなことを考えてしまう顔をしていた。


最後に、オーギーがクリスマスの夜の出来事の独白が10分ほど続くシーンは、ずっとオーギーの表情しか映らず言葉でゆっくりと語るだけなのに、その情景が想像できてしまうあたり、語り方が上手いなあと感じる。
エンディングにはその話のシーンが映される。
ポスターの写真はそういうことか、と気づく。

淡々としているけど見終わったあとはなんだか暖かい気持ちになれるいい映画です。