Tig

ダークナイトのTigのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.8
何年か前に観た時には何も感じなかったのですが、再鑑賞してこの作品は凄いと愕然としました。もう皆さん語り尽くしている事と思いますが何よりヒース・レジャーの狂気。ジョーカーを演じる為に6週間モーテルにひきこもり、ジョーカーの気持ちの理解に努め今作のジョーカーのグチャグチャなメイクを考案したのも彼なんですよね。(孤独なジョーカーがティム・バートン版みたいに第三者にして貰ったようなメイクをしているはずがないという事みたいですね…ジョーカーメイクをした町山智浩氏が言っていました…)
純粋な悪としての存在感を遺憾なく発揮していてハッキリ言ってバットマンを完全に喰っていますよね…?バットマンとジョーカー、ハービー・デントを通して善と悪が紙一重である事が提示されます。そして正気と狂気の境界線の曖昧さを理解しているジョーカーがとにかく子供のように無邪気に正義や善良を自認する人々を扇動し悪の道に引きずり落とす描写が素晴らしい。金の為ではない純粋なる悪が善の裏側に潜む本質を暴いていく。サタンのメタ的存在が神がつくった人間に様々な矛盾と選択を突き付け善という概念に挑む物語としてみました。(感想自体が完全に受け売りですが…)そんな中にも僅かな救いがある事が終盤に示されます。ビギンズ観た時にはノーラン監督の構築した新しいバットマンワールドが素晴らしいと感じましたが、86年に本国でリリースされたDCコミックのバットマン:ダークナイトリターンズの世界観が下敷きにあるんですね。善と悪、その境界線、定義など深遠で答えの見つからないテーマをバットマンというアイコニックなキャラクターの作品に見事に盛り込み映像化した素晴らしい作品だと思いました。
強いていうならレイチェルがケイティ・ホームズからマギー・ギレンホールになってしまって完全に個人的嗜好ですがテンション下がりました…