八鍬

ダークナイトの八鍬のレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
3.7
正直 クリストファー・ノーラン監督による『ダンケルク』は観ていない。もちろん この先にも観る予定はない。
それほど興味のなかった 『ダークナイト』だが 当時何かの間違いで観てしまった。
まあ とても良かった。期待などしてなかったのがよかったのか 大作にもかかわらず 最後まで飽きなかった。
厳密に考えれば ムダな役者の使い方がやたらと目立つ。たとえばティム・バートン版で執事を演じたマイケル・ガフに比べれば このマイケル・ケインはあまり必要性を感じなかったし モーガン・フリーマンはその存在自体が謎だった……いや 実際にはそんなに悪くないんだけど。
まあ そういった違和感は 当時 僕がノーラン映画をほぼ観たことなかったという証なのかもしれない。
だが それにしてもヒース・レジャー演じるジョーカーは とても秀逸だった。落ちかかった……でも完全に落ちることはない……メイクで 芝居を続けている彼。これはいったい何なんだ?というキャラクターを ギリギリのところで演じている。これでは精神も参ってしまうだろう……。
これに比べれば バートン版のジョーカーなど 単なるマンガの中のキャラでしかない。その出自も明らかにされず ただ気が狂っており とにかく凶暴で手がつけられない怪人であるが故に誰も抵抗ができない。そんな圧倒する狂人など 現実には存在するわけがない!などとまっとうな主張をするリアリストなど死ね!と言わんばかりの あまりにも発狂したキャラクターの登場だ。
そもそもキャラクターって何なんだ?という問いは もちろんバットマンにも向けられる。何故 あんな奇怪な格好で 誰にも認められない正義を振りかざすのだろうか?

マンガ的ロマンティシズムを一切廃し かといって安易にストイックと口走ってしまうことも許さない。これは異様かつ躍動感に満ちた 新しいアクション映画の形なのかもしれない。とても興奮させられた。