カッシー

ダークナイトのカッシーのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
3.2
あれ?こんなにつまんなかったっけ?

数年ぶりにちゃんと観直したわけですよ。そしたら、まぁ面白くなくてですね…

前提としてジョーカーが出てるシーンはめちゃくちゃいいです。圧倒的です。彼が突きつけるテーマはたしかに面白い。そしてバットマンはじめ、登場人物たちが為す術なく彼が巻き起こす純粋悪の渦に引き込まれていくおぞましさには恐怖を覚えます。

が…
それだけです。

それ以外のシーンはため息が出るほど面白くない。
バットマンの格闘シーンなどアクションシーンがことごとくつまらない。
ちまちま周りを囲む悪党たちは倒していくのはリアルであっても迫力はゼロ。あんなにモッサリ動くバットマンなら瞬殺されると思うんですけど…犬が弱点って笑
バットポッドもどう見ても原チャリ並みに遅いし(タンブラーの前輪が弾けるのは面白いんだけどなぁ)
音の演出もなんか変なんですよね。先述のバットポッドのシーン。効果音と映像のズレが気持ち悪い。音だけビュンビュンスピーディなのにバットポッドの動きが遅れてるんですよね。
あとはバットマンの出現によって街が狂気に溢れたとか言うんですけどね、全然そう見えないですよ。観客の世界と地続きに見せたかったのかも知れませんが、いくらなんでも普通の街にしか見えない。マフィアの横行とか、警察の腐敗とかセリフのみで説明されるので実感が湧かないし、そんなフワッとした設定の中でハードな問題提起をされたところで全くピンとこないですよ。ラストの決断も、そうしなければどうなってしまうのか言葉で説明されるだけ、市民が権力の腐敗に対してどう思い行動するのか、不信感を抱くのかが描かれておらず、"何もそんなに全部背負い込まなくても良いんじゃないのー?"な感じ。1番大事なシーンなのに‼︎

アメコミスーパーヒーローがリアルな問いにアンサーを出すってもっとかっこよく作れるはずなんですよね。"ウィンターソルジャー"がその良い例ですし、なんなら同年公開の"アイアンマン"なんてカラッと爽やかに、でも自身の力が招く災いとそれに対してどう向き合いヒーローとして確立するかめちゃくちゃ上手く描けてるじゃないですか。
こんなバットマン、そもそも見たくなかったんだろうなぁ。まぁコミックからしてこういう奴なんだけど…
僕の見方が意地悪なのか、はたまた映画の感覚がお子ちゃまなのか。
ザック・ベンアフ版バッツが恋しいよ。
カッシー

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