ノットステア

ダークナイトのノットステアのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
5.0
レビュー300本目!

これは観たことある。映画館ではない。多分友達の家で観た。え、友達の家で観たか!?いや、なんか違う気がするけど、オススメされて一緒に観た気がする。ん?おれんちで観たっけか??




いくつかの観点を設定して、個人的な悪役No.1を考えてみた。

プロフェッショナルな悪No.1
007シリーズ『ロシアより愛をこめて』のドナルド・“レッド”・グラント(ロバート・ショー)。プロの殺し屋。ボンドが勝てる気がしなかった。隙がほとんどない。弱点はボンドに勝とうとしたこと。勝てると確信したこと。Qの道具のお陰で助かる。(小説はまたちょっと違う。ボンドの一か八かの賭けの勝利)
間抜けなミスや油断しすぎて負ける悪役は面白くない。その点、007シリーズの『ロシアより愛をこめて』や『スカイフォール』のシルヴァとかは最高。シルヴァもMI6の元エージェントだからプロ。
『ロシアより愛をこめて』は登場するスペクターのNo. 3、ローザ・クレッブ(ロッテ・レーニャ)がショボかったからちょっと残念だった。


胸糞悪No.1
『宮本から君へ』のタクマ(一ノ瀬ワタル)。ラグビーで鍛えた巨大な体。主人公との圧倒的な体格差。性犯罪。ニヤケ顔。ふてぶてしさ。


弱点のない悪No.1
『ダークナイト』のジョーカー(ヒース・レジャー)。常に笑っている。死も恐れない。失うものがない。徹底した悪。肉弾戦が強いわけではないのに。

そういうわけで評価は5.0にした。
ヒーローものとしてならスパイダーマンのほうが好き。というかスパイダーマンが好き。No.1



○感想
ジョーカーの過去って本当はどんなものなんだろう。

『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』でジャック・スパロウは言う。「本当の話をしても信じないと思ったら言うだろうな。」

何が本当かは考えても仕方ない。

『ジョーカー』ではジョーカーになるまでが描かれていたけど、多様な設定を許容させるところがジョーカーというキャラクターの懐の深さだと、ふと思った。
細田守監督の『ONE PIECE ―オマツリ男爵と秘密の島―』を観たときにはこんなの麦わらの一味じゃねーわって思ったし、最近のルフィと昔のルフィはやっぱりなんか違うなって思うけど、そういうのが気にならないジョーカー。(原作を知らないからかもしれないけど)

①得体の知れなさ。
②ちょっとその正体を描いただけで社会問題が浮き彫りになって正面に立ち現れるという存在。

おもしろ。。。


以下、ネタバレあり。
長いし、展開が早いし、セリフ多いしで、むずかしすぎたのであらすじとセリフをまとめた。。。















○あらすじとセリフ

銀行強盗。仲間を殺していく。

銀行の人「仲間を殺して得意か?お前もボスから同じ目に遭わされるぞ。昔の悪党は信じてた。名誉とか敬意ってものをな。今どきの悪党はどうだ?信念はあるか?」
ジョーカー「俺の信念はこうだ。“死ぬような目に遭った奴は(ピエロのお面を取る。)イカれる”」

スケアクロウ、麻薬取引
偽物バットマンたち。

バットマン「二度とマネするな」
偽物バットマンA「手助けだ」
バットマン「必要ない」
偽物バットマンB「君は異常だぞ」
偽物バットマンA「何様のつもりだ。俺とどこが違う?」
バットマン「ホッケー防具など着けん」

バットマンとゴードン警部補
覆面刑事が麻薬取引をしている。資金洗浄(マネー・ロンダリング)。5つの銀行。ジョーカーも追わなければならない。
バットマン「1人より組織の摘発が先だ」
新任の検事は頑固者。

アルフレッド「ご自分で縫合なさるから血だらけです」
ブルース「痛みは自分への戒めだ」
アルフレッド「何度戒められてきたか」
ブルース「バットスーツが重すぎて素早く動けないんだ」
アルフレッド「フォックスが改良します」
犬に噛まれてできた傷。
ブルース「また僕のニセ者が現れた。銃を持って」
アルフレッド「雇えば休暇が取れる」
ブルース「まさか。市民に“犯罪と戦おう”と呼びかけたが…」
アルフレッド「そうですね。ですが味方が現れた。新任の検事です」
ブルース「信頼できる男かどうかまだ観察中だ」
アルフレッド「彼に興味が?それとも交際相手に?」
ブルース「交際はレイチェルの自由だ」
アルフレッド「休日中の尾行は断ります」
ブルース「休日があるのか?」
ブルースの身体は傷だらけ
アルフレッド「限界です。ブルース様」
ブルース「バットマンに限界はない」
アルフレッド「あなたにはある」
ブルース「知りたくない」
アルフレッド「もし知る日が来たら?」
ブルース「“だから言ったのに”と君が言う」
アルフレッド「私もその日には言いませんよ。たぶんね」

ハービー・デント検事。裁判。
マフィアを揺さぶったせいで裁判では命を狙われた。

ハービーとゴードン
マローニは無罪放免になったが、逮捕のチャンスはいくらでもあるとハービーは言う。
ゴードンの部下たちは汚職警官。ゴードン1人では犯罪組織とは戦えない。
ゴードン「私は理想主義者じゃない。できることをやるだけだ」
ハービーは5つの銀行に捜査令状を出す。
ハービーは有名な“光の騎士”

中国の成長企業ラウ・ファンド社とウェイン産業の提携。一流ベンチャー企業。提携の時に寝ているブルース。
フォックスはラウ社におそらく違法行為となる裏帳簿があると予想する。知っているブルース。

ハービーとレイチェルのデート。
そこにデート中のブルース。4人で酒を飲む。
ハービーはバットマンを誇りに思っていて、悪をのさばらせる限りバットマンが必要だと考えている。
ハービー「英雄として死ぬか、生き延びて悪に染まるか」「バットマンも一生悪とは戦えない。誰かが後継者にならねば」

マフィアたちの会議
ラウが黒幕。ラウだけテレビで。マローニもいる。金の一部がジョーカーに盗まれた。金から足がついた。細工した紙幣から銀行が特定された。。資金洗浄の銀行はすべて熱血刑事(ゴードンのこと)が摘発。全資金を投資ファンドへ。金は警察が踏み込む前にラウが移動済み。場所を知るのはラウだけ。ラウは香港に飛ぶ。
ジョーカー登場。
鉛筆を消す手品。
一年前は警察も検事もラウたちマフィアに手を出せなかった。なぜマフィアたちが夜を恐れるようになったのか。バットマンが悪行を暴いたから。デントは始まりに過ぎない。
ラウもバットマンは見破る。ラウは裏切るとジョーカーは言う。
ジョーカーはバットマンと殺すと言う。要求は全資金の半分。
ジョーカーに手を出そうとするも、ラウたちの資金で買った紫色のスーツの中にはいくつかの手榴弾。手にはそれと繋がった紐。

バットマンとゴードンとハービー
ラウが逃げた。銀行には細工紙幣。地検が関わった途端、情報が漏れた。

新装備
違法飛行に慣れた韓国の密輸業者

マフィアの一人。部下にジョーカーを殺させた。死体拝見。
ジョーカー「この口の物語を?俺の親父は酒浸りで酔っては暴れた。ある夜あんまりひどく暴れ狂ったもんでお袋は包丁で防衛。親父はそれが気に入らなかった。まるっきり。ただの少しも。親父は俺の目の前でお袋を刺し殺した。笑いながらな。そして俺を振り向くと言った。“そのしかめツラは何だ?”親父は近づいてきた。“そのしかめツラは何だ?”俺の口に刃を入れて“笑顔にしてやるぜ”そして…(横にいるマフィアの部下を見て)そのしかめツラは?」
マフィアの死。
ジョーカー「さてと、それの組織は小さいが将来有望だ。たまった欲求不満も暴力で発散できる。どうだ、お前たちも加わらないか?おっと空席は1つだった。入団テストだ。勝ち抜きでな。始めろ」

フォックスは香港へ
ラウ社では携帯電話が禁止されている。フォックスは使っていない携帯を預ける。ラウと対面。リスクを避けるために取引中止を伝える。
帰り、警備員に携帯電話を返されるも、使用している携帯を見せる。警備員は携帯を置いておく。
フォックスをブルースが会う。ラウ社の地図。潜水艦のソナー装置のような仕組み。

夜。
ラウ社停電。戦闘。バットマンがラウを抱え、飛んでいる飛行機に乗り込む。

ラウ逮捕。
共謀罪。
マフィア一斉逮捕。
ラウが証言したらラウは金で保釈し、幹部連中は保釈金がなくハービーたちとの取引に応じるだろうという計算。18か月は街が平和になるだろう。

ハービーが勝っても、政治家や警察やジャーナリストなど財布を軽くされた連中たちがハービーに対して報復し始める可能性がある。

偽バットマンの死体。顔はジョーカー。バットマンに名乗り出るよう要求。

ジョーカーから警察に送られたビデオ
ジョーカー「名前は?」
偽バットマン「ブライアン・ダグラスだ」
ジョーカー「本物のバットマンか?」
偽バットマン「違う」
ジョーカー「違う?なぜバットマンの格好だ?」
偽バットマン「バットマンは正義の印だ。お前なんか怖くない」
ジョーカー「ところが怖いんだ。怖がれブライアン。バットマンはこの街を平和にしたか?俺を見ろ。見るんだ!バットマンのせいでこんな奴が現れた。街に秩序が欲しけりゃバットマンはマスクを脱いで正体を見せろ。それまで俺は毎日市民を殺す。今夜からだ。約束は守る男さ(笑い声)」

ハービーのための資金集めのパーティ
ブルースはハービーがレイチェルのハートを射止めたと言い、ハービーを信じるとみんなの前で言う。
外でブルースとレイチェルが話す。
レイチェル「からかわないで。彼が本気にするわ」
ブルース「いや、本気だ。君は以前、僕に言ったね。“街がバットマンを必要としない日が来たら…”と」
レイチェル「やめて」
ブルース「その日が来た。ハービーこそ新しいヒーローだ。マスクを着けずに犯罪者を一網打尽。素顔のヒーローの誕生だ」

ゴードン。
遺体のジョーカーのカードから3種のDNA。サリオ判事、デント検事、ローブ市警本部長。次の殺しの標的。
警備。
サリオ判事…車が爆発し、死亡
ローブ市警本部長…ゴードンが警備するも、酒を飲んだグラスに毒があり死亡
デント検事…パーティにジョーカーが現れる。ブルースがハービーを気絶させ、隠し、助かる。

ジョーカー「怖いのかい、この傷が?物語を聞かそう。よく見ろ。俺の顔を。俺にはあんた似の美人のカミさんがいた。口癖は“シケた顔しないでもっと笑いなさいよ”彼女はギャンブルに明け暮れて借金漬け。脅しに顔を切られた。手術の金もなく泣き暮らす彼女。俺は笑顔が見たかった。傷があってもいいと伝えたかった。それでカミソリを口に入れて裂いた。自分でな。どうなったと?“醜い顔がたまらない”と彼女は出てった。笑えるだろ。今の俺は笑いっぱなしだ」
ジョーカーがレイチェルを突き落とす。バットマンが救う。

ブルース「バットマンを標的にするとは、連中も一線を越えた」
アルフレッド「あなたが追いつめて一線を越えさせたんです。せっぱ詰まった彼らは常軌を逸した男を頼った」
ブルース「悪党の心理は単純だ。狙いを読めばいい」
アルフレッド「お言葉ですがジョーカーはあなたにも理解できますまい。その昔私は当時のビルマで政府に雇われていました。役人は部族の長たちを宝石で買収し従わせていた。ある時キャラバンが山賊に襲われたので宝石を取り戻しにいった。ところが半年捜しても宝石を売買した者に出会わない。ある日、私は子供がルビーで遊ぶのを見た。特大の原石でね。山賊は宝石をほうり捨てたんです。」
ブルース「なぜ盗んだ?」
アルフレッド「ゲームのようなものです。世の中には金など目じゃない悪党もいる。脅しも理屈も通じず交渉も成り立たない。世界が燃えるのを見て喜ぶ連中です。」

殺された二人の男。二人の名前を合わせるとハービー・デント。銃痕を持ち帰る。
解析。

ウェイン社のリース。ラウ社の査定を確認していたら気づいた。バットモービルがウェイン社の物だということ。今も開発部の金が使われていること。口止め料を要求するが、フォックスは、犯罪と戦っている男から金をゆすろうとするのかと言う。リースは要求をやめる。

弾丸の破片を復元し、親指の指紋を取る。
指紋からジョーカーの居場所の可能性を4つに絞る。

メルヴィン・ホワイト ランドルフ・アパート1502号室 加重暴行で2度精神病院へ

市長演説。パレード。
ブルースがランドルフ・アパート1502号室に入ると拘束された男たちがいる。銃と制服を奪われた男たち。
ブルースが外を見ると、カーテンが開く。撃たれる。怪我なし。
メイクを落としたジョーカーが市長を狙撃。庇ったゴードンが被弾。

警察に足を撃たれ、確保されたシフをハービー・デントは連れ去る。名札はレイチェル・ドーズ。

ハービー・デントはレイチェルに電話。危険だと伝える。

バットマンはクラブで戦闘。マローニを確保。
バットマン「ジョーカーは?」
マローニ「プロとして言う。脅すなら場所を選べ。この高さじゃ落ちても死なん」
バットマン「それでいい」
落とす。
バットマン「奴はどこだ」
マローニ「知らない。謎の男だ」
バットマン「仲間はいるか?」
マローニ「あんなイカれ野郎に?」
バットマン「言え!」
マローニ「誰もお前には奴を売らんぜ。お前はルールを守る正義の味方。だがジョーカーは正反対。恐ろしくて裏切れない。奴を捕まえる方法はただ1つ。分かってるはずだ。マスクを脱げば奴から現れる。迷ってる間にも次々に殺されるぞ」

ハービー・デント「ゲームをするか?」
銃を発砲。銃を突きつける。
ハービー・デント「どうだ?」
シフ「撃つな」
ハービー・デント「撃たせるな!俺には殺せないと?そうだ。俺は決めない。これが決める。表なら頭は吹っ飛ばない。裏なら不運と思え。ジョーカーのことを話すか?」
コインを投げる。表。
ハービー・デント「もう一度」
シフ「僕は何も知らない!」
ハービー・デント「運は続かないぞ。もう一度だ」
投げたコインをバットマンが掴む。
バットマン「命を運で決めるのか?」
ハービー・デント「違う」
バットマン「そいつの名はシフ。妄想型の患者だ。わけも分からず奴に心酔した。情報など引き出せん」
ハービー・デント「奴の次の標的はレイチェルだ」
バットマン「君は犯罪撲滅のシンボルだ。悪にまみれたゴッサムに初めて真の希望の光を灯した。今の君を見たら市民は失望する。囚人も残らず釈放されゴードンの死もムダになる。明日の朝、記者会見を開け。私は決心した。ゴッサムは君に託す」
ハービー・デント「ダメだ。マスクは脱ぐな。奴に屈するな!」

ブルースとレイチェル。マスクを脱ぎ話。ジョーカーが殺しを辞めなくても、せめてもの償いとして脱ぐ。
ブルース「分かったんだ。奴のような敵とは理性じゃ戦えないと。君は言った。“いつかバットマンをやめたら結婚を”と」
レイチェル「私を幸せへの切符と思わないで」
ブルース「本気だったか?」
レイチェル「ええ」
キス
レイチェル「ブルース。正体を明かせば結婚など夢よ」

資料など、レイチェルにつながるものはすべて焼き払う。
ブルース「人が死んでいく。僕はどうすればいい?」
アルフレッド「屈さずに耐えるんです。ブルース様。市民に憎まれてもバットマンならもともと社会のはぐれ者。人にできない決断が下せます。正しい決断が」
ブルース「ここがバットマンの限界だ。憎しみには耐えられない。“だから言ったのに”か?」
アルフレッド「今日は気分じゃありません」
2人で外に向かって歩く。
アルフレッド「だから言ったのに。私も捕まるでしょうな。共犯として」
ブルース「共犯?僕は君が黒幕だと言うつもりだよ」

記者会見。
記者の女性「市民の命より無法者の自警市民が大事と?」
ハービー・デント「確かに無法者だが、ジョーカーを恐れて彼を差し出すのか?以前は彼の戦いを歓迎してた」
男性記者「犯罪率は過去最悪だ」
ハービー・デント「その通りだ。夜明け前は最も暗い。約束しよう。夜明けは来ると。いつか彼も裁かれる。だがジョーカーにでなく我々によってだ」
警官「警官殺しはたくさんだ!」
聴衆「正体を見せろ!」「バットマンを出せ!」
ハービー・デントは自分がバットマンだと名乗る。

レイチェルはアルフレッドのもとへ。ブルースは卑怯だという。
アルフレッド「ブルース様とデント様はおそらく信念で行動されたのでしょう。憎まれてもバットマンにはすべきことがあると。犠牲的精神です。ヒーローになるのでなく街を守るために」
レイチェル「その通りだわ。身代わりを立てるなんてヒーローじゃない。彼の理解者ね」
アルフレッド「はい」
レイチェル「時が来たらこれを彼に渡して」
アルフレッド「いつです?」
レイチェル「読めば分かるわ。さよなら」
抱きしめ合う。

ハービー・デントは刑務所に入ってジョーカーをおびき寄せるとレイチェルに言う。レイチェルは危険すぎると言い、やめるように言う。
レイチェル「バットマンにジョーカーは倒せないわ」
ハービー・デント「なぜだ?」
レイチェル「分かるの。殺されたらあなたを頼りにしてる市民はどうなるの?」
キス
レイチェル「ハービー。皆に真実を話して」
ハービー・デント「表なら行く」
レイチェル「自分の命よ。コインの運に任せないで」
ハービー・デント「任せない」
コインはどちらの面も同じ絵柄。
レイチェル「自分で引き寄せる…」

ハービー・デントの護送
トレーラーでジョーカー登場。銃とバズーカ砲で警察車両などを倒していく。
バットモービル登場。敵車両を減らす。
護送車へのバズーカ砲を受け止める。
ジョーカーはトレーラーを自ら運転し、護送車を追う。
ジョーカー「楽しいお仕事だぜ」
バットモービル完全破壊。脱出システム作動。バイクで飛び出る。残りは自爆。
障害物は砲撃で飛ばして進むバットマン。
ジョーカーの指示でヘリコプターをワイヤーにひっかけて墜落させる。護送車とヘリコプターが衝突。
ジョーカー「バットマンのお出ましだ」「遊ぼうぜ」
バットマンはワイヤーでトレーラーをひっくり返す。
ジョーカー外に出る。
ジョーカー「来いよ。俺を轢いてみろ。さあ。来るんだ。俺はここだぜ。ビビるな、轢け!轢け!」
バットマンは轢けずに横転。
倒れるバットマン。ジョーカーが飛び乗る。
後ろから銃を突きつけるゴードン。
ゴードン「捕まえたぞ。クズめ」

ハービー・デント「ゴードン。よくも裏をかいたな」
ゴードン「奴を捕まえた」

記者「デント検事。ヒーローになった感想は?」
ハービー・デント「ヒーローは私じゃない。市警の面々だ」
記者「地検はバットマンと組んでいた?」
ハービー・デント「違う。だが彼を信じてた。恩人だ」

ゴードンは家族を守るために死んだふりをしていた。

ジョーカーの身元は分からない。指紋もDNAの記録もない。服も無名の既製品。ポケットにもナイフと糸クズだけ。身元を示すものは何もない。

ゴードンは休むように言われる。明日から昇進。市警本部長になる。一同拍手。ジョーカーも拍手している。

ゴードン息子「バットマンは命の恩人?」
ゴードン「逆だよ。パパが彼を助けた」

ジョーカー「こんばんは。市警本部長」
ゴードン「デントが帰宅してない」
ジョーカー「だろうね」
ゴードン「何をした?」
ジョーカー「俺が?ここにいた」
手錠を見せる
ジョーカー「誰を護衛に付けた?あんたの部下?まだあんたの部下だよな?マローニのスパイでなく。ショックかい、本部長?だよな。信頼できる奴はほとんどいない。デントが行方不明になって責任を感じるかい?」
ゴードン「彼はどこだ?」
ジョーカー「今何時だ?」
ゴードン「なぜ聞く?」
ジョーカー「時間によって違うんだ。1か所かバラバラか」
ゴードン「もしゲームをするなら…コーヒーが必要だ」
ジョーカー「次は“コワい警官”の登場かい?」
ゴードン「甘いな」
ジョーカーの背後にバットマン。ジョーカーの頭を机に叩きつける。
ジョーカー「いきなり頭かよ。クラクラして鈍感になる」
手の甲を殴る。
ジョーカー「ほらな?」
バットマン「私を捜してたはずだ」
ジョーカー「反応を見たのさ。期待通りだった。5人死なせてくれた。しかもあとはデントにバトンタッチ。非情だ。俺でも驚く。マフィアはお前を殺せば以前に戻ると思ってる。だがもう戻りやしない。お前が変えたからだ。永遠に」
バットマン「ではなぜ殺す?」
ジョーカー「俺は殺さないさ。お前がいなきゃケチな泥棒に逆戻り。イヤだ。お前が欠けたら生きていけない」
バットマン「お前などクズだ」
ジョーカー「真っ当な口を利くな。似合わんぜ。お前はバケモノだ。俺と同じさ。今は必要でも不要になったらたちまち世間のつまはじき者。世間のモラルや倫理なんてものは善人のたわ言だ。足元が脅かされりゃポイ。たちまちエゴむきだしになる。見せてやるよ。いざって時、いかに文明人とかいう連中が争い合うか。俺は怪物じゃない。先が読めるだけさ」
バットマン「デントは?」
ジョーカー「お前はルールだらけだぜ。」
別室にて。バットマンがジョーカーの胸ぐらをつかんだのを見ている同僚に向かって、ゴードン「大丈夫だ」
バットマン「ルールは1つだ」
ジョーカー「真実を知りたきゃ破れ」
バットマン「真実とは?」
ジョーカー「ルール無視が賢い生き方だ。今夜お前もルールを破れ」
バットマン「考えておく」
ジョーカー「殺人タイムまであと数分。どっちかを助けたきゃ急げ」
バットマン「“どっちか”?」
ジョーカー「少し前までデントがお前だと思ってた。彼女にノボせてたからな」
バットマンはジョーカーを机に叩きつける。別室で見ている男たちも焦って止めようとするが、バットマンは椅子でドアを開かないようにする。
ジョーカー「ほらキレた。デントに嫉妬してるのか?」
ジョーカーの顔面を窓に叩きつける。ガラスにヒビ。
バットマン「2人はどこだ?」
ジョーカー「殺しは選択の問題だ」
ジョーカーの顔面を殴る。
バットマン「言え!」
ジョーカー「どっちを殺すか。お友達の検事か奴の未来の花嫁か」
ジョーカーの顔面を殴る。笑うジョーカー。
ジョーカー「屁でもないぜ。どんなに脅してもどんなに強く殴ってもな」
ジョーカーの胸ぐらを掴む。
ジョーカー「居所は教えてやる。2人のな。そこがポイントだ。どっちを救う?男は52丁目250番地。女はシセロの×通りだ」
部屋から出るバットマン。
ゴードン「君は?」
バットマン「レイチェル」

ジョーカー「電話だ。電話を1本かけさせろ。電話を」
「笑わせるな」
ジョーカー「俺、お前さんの仲間を何人殺したっけ?」
「警官歴20年。見分けはつく。行儀の悪いチンピラと犯罪を楽しむイカれ男のな。質問の答えは6人だ」
ジョーカー「(6人も!?)」

ジョーカー「なぜ俺がナイフを使うと?銃だと速すぎてたっぷり味わえないんだ。殺される奴の感情がな。分かるか?人間ってのは最期の瞬間に本性が出るもんだ。お仲間のことは俺の方が知ってるってこと。誰が泣いて命乞いをしたと?」
「楽しませてやろう。ただし俺の方がもっと楽しむ」

ジョーカーは見張りの男を人質にする。
「要求は?」
ジョーカー「電話をかけたい」

囚人の腹に縫った痕。携帯電話が腹の中に入れられている。ジョーカーがその腹の中の携帯電話に電話する。
爆発。ジョーカーの周囲まで吹き飛ぶ爆発。

レイチェルとデントの通話。「私だけ助かるなんてイヤよ。あなたと一緒に生きていきたい。あの答えは“イエス”よ」

バットマンが到着する。
デント「ダメだ。僕じゃない。なぜ僕の所へ来た?」
デント「レイチェル!レイチェル!」
レイチェル「ハービー。これでいいの。聞いて。いつか…」
爆発
デント「レイチェル!ダメだ!」爆発。ハービー・デントの顔に火が付く。

ジョーカーはラウを連れて逃走。(わざと捕まって、留置所に入ったということが判明。)

レイチェルからの手紙「“ブルース。正直に言うわ。私はハービーと結婚する。彼を愛してるの。共に生きていくわ。街がバットマンを必要としない日が来たらあなたと…。あの気持ちは本当よ。でもあなたがバットマンを捨て去れる日は来ない。その日が来るなら私はそばにいるわ。親しい友として”」
バットマン「すまない」
レイチェルからの手紙「“あなたを失望させたわね。でもどうか人々への希望は失わないで。変わらぬ愛をあなたに。レイチェル”」

ブルース「僕が彼女を死なせたのか?街の平和を願ったのに、狂気や死を蔓延させた」
アルフレッド「あなたは悪党の顔にツバを吐いたんですよ。犠牲者も出るでしょう。平和は混乱の後訪れます」
ブルース「でもレイチェルは…」
アルフレッド「彼女は悪との戦いは必要だと信じていました。あなたが必要です」
ブルース「必要なのは真のヒーローだ。なのに僕のせいでデントは殺されかけた」
アルフレッド「だからしばらくはあなたで我慢です」
ブルース「彼女は僕を選んだ。デントは知らない。一生秘密だ」
アルフレッドはブルースの朝食のトレーに乗せた手紙を取る。
ブルース「それは?」
アルフレッド「のちほど」
ブルース「ビルマの山賊の話だが、その後捕まえたのか?どうやって?」
アルフレッド「森を焼きました」

顔の左半分に傷を負ったデントが目覚める。

ゴードンがハービー・デントの病室へ。
激痛でも薬を飲まないハービー・デント。皮膚移植も拒否。
内務調査部の時代に警察がつけたあだ名:“2つの顔のハービー(トゥー・フェイス)”
ゴードンは、部下の誰を信じればいいのかわからないと言う。後悔しているとも言う。
それに対してハービー・デントは「まだ足りない。これからだ」

ゴードンのもとにマローニ。マローニがジョーカーの居場所を教える。

大量の札束とジョーカーとマフィア。
マフィアの一人「あんたこの金をどうする気だ?」
ジョーカー「俺の生活は質素だ。趣味っていえばダイナマイトに火薬、そしてガソリン」
部下に札束にガソリンをかけさせる。
ジョーカー「その3つの共通点は?安いってこと」
マフィア「焼くなんて約束が違う。」
火をつける
ジョーカー「心配すんな。焼くのは半分だけ。お前らは金の亡者だ。ゴッサムには上等な悪党が似合う。俺のことさ。手下にボスは俺だと言え。ここは俺の街だ。」
マフィア「バケモノの指図なんか」
ジョーカー「バケモノ?切り刻んでワン公たちに食わせるか?忠実な飼い犬も腹がへりゃ飼い主に嚙みつくぜ。金なんか要らない。こいつは“俺がボスだ”ってメッセージさ。燃やし尽くせ」

テレビ。
司会者「お名前は?」
「バットマンのいない世界を想像してみた。マフィアは小金を稼ぎ、警察は奴らをつぶす。1度に少しずつな。そんな街はとても退屈だ。それで考えを変えた。バットマンの正体は暴かない。楽しみを分かち合おう。チャンスをやるぜ。テレビに出てるリース君を60分以内に殺せ。さもなきゃ病院を吹っ飛ばす」

ブルース「ゴードンの部下の家族情報を頼む」
アルフレッド「どんな?」
ブルース「入院の有無だ。」
アルフレッド「バットポッドを?」
ブルース「昼間だ。目立ちすぎる。」
アルフレッド「ランボルギーニで?」
アルフレッド(ひとりつぶやく)「地味ですな」

市民がテレビ局に集まる。リースを殺そうとしている。発砲する市民。止める警察。
ゴードンがリースを避難させる。

家族が入院中の部下はR・バーグ。ゴードンに知らせる。ゴードンとリースと同乗している。

ハービー・デントの病室にジョーカー。ナースの格好。
暴れるが、ベッドに固定されているハービー・デント。
ジョーカー「ハーイ。なあ。俺のこと恨まないでくれよ。お前とレイ…」
ハービー・デント「レイチェルだ!」
ジョーカー「彼女が誘拐された時、俺は留置場にいた。爆破なんかできない。」
ハービー・デント「計画したのはお前だ」
ジョーカー「俺が計画的な男に見える?俺は車を追いかける犬と同じ。スリルと興奮が大好き。本能で動くタイプだ。マフィアは計画を練る。警察も練る。ゴードンも練る。奴らは陰謀家だ。陰謀家は物事を支配しようとする。だが俺は違う。支配しようとすることがいかにバカげてるか、そこを教えてやりたい。だから俺は個人的には…お前と彼女を殺す計画なんかなかった。それは信じてくれ」

ゴードンはリースに銃を渡すように言う。

ジョーカー「こうなったのも陰謀家のせいだ。お前も陰謀家だよ。計画を練っていた。その結果がこれさ。」

ジョーカー「俺らしいやり方さ。お前の俺を殺す計画を逆転させた。数個のドラム缶と弾丸だけで見事な出来じゃないか。人間ってのは物事が計画の内だと平然としてる。恐ろしい計画でも。仮に俺が言ったとしよう。“ギャングが殺される”とか“兵士が吹っ飛ばされる”と。誰も驚かない。どれも予想の範囲内だからだ。だが“どうでもいい市長が1人死ぬ”と言えば、誰もが大あわて。小さな無秩序で体制をひっくり返す。すると世の中は大混乱に陥る。」
ジョーカーはハービー・デントに拳銃を握らせ、銃口を自分の頭に向ける。
ジョーカー「俺は混乱の使者。何が混乱を起こす?恐怖だ。」
ハービー・デントはコインをジョーカーに見せる。「殺さない。殺す」
ジョーカー「面白い」

リースの乗る車に突っ込む車。突っ込まれる前にブルースのランボルギーニがクッションになる。

ジョーカーが自分のいる病院を爆破。
バス1台、ニュース・キャスターを含む50人が行方不明。
デントも行方不明。人にはハービー・デントが無事だと言うように、ゴードンは指示する。
テレビ局に届いたビデオ「キャスターのエンゲルです。“諸君は弁護士も殺せずにどうした?ゲームに参加してもらおう。街は俺が支配する。俺の指示通りに動け。それがイヤなら今すぐ街を去れ。だが橋とトンネルにご用心。ハハハ…”(ジョーカーの顔が映る)」

ウェイン社の研究開発部に侵入者

非番の警察のもとにハービー・デントが現れる。銃を向ける。レイチェルを殺したのは誰かを問う。もう1人のスパイは誰か。ハービー・デントたちがどうなるか知らなかったという警察。コインで決める。ハービー・デントは警察を撃つ。

侵入者はバットマン。街じゅうの携帯電話と高周波の通信機を盗聴。
フォックス「倫理に背く」「半数が作動すれば全体図が描ける。道義に反する」「やりすぎでは?」
バットマン「データベースは暗号化。1人しかアクセスできない」
フォックス「強大なパワーだ」
バットマン「だから君だけが使える」
フォックス「3000万人の盗聴は私の仕事じゃない」
バットマン「奴の声だ。もし電波の圏内で話せば位置が特定できる」
フォックス「分かりました。最後の仕事です。この装置が社内にある限り私は辞めます。」
バットマン「すべて終わったら自分の名を打ち込め」

フェリーに3万人が殺到。大渋滞。
ゴードンは囚人をフェリーで脱出させたい。ほうっておけと言われても。

マローニの乗る車に先に乗っているハービー・デント。
ハービー・デント「女房の所へ?愛してるか?」
マローニ「ああ」
ハービー・デント「死に際の声は想像するか?」
マローニ「お前の女を殺したのはジョーカーだ。そんな姿にしたのも」
ハービー・デント「ジョーカーはただの狂犬だ。放った奴が悪い。ワーツは始末した。もう1人のスパイは誰だ?彼女が信頼してた。」
マローニ「もし教えたら俺の命は?」
ハービー・デント「助かるかもな」
マローニ「女刑事のラミレスだ」
ハービー・デント「生死は運次第だ。(コインを投げる)お前は運がいい。(コインを投げる)彼は違う」
マローニ「誰だ?」
ハービー・デント「運転手だ」
ハービー・デントは自分のシートベルトをして発砲。車が横転。

二つのフェリーのエンジンが止まる。
100の樽に爆発物。起爆装置も。

ジョーカーの声「今宵君らをある実験に招待しよう。ディーゼル燃料と硝酸アンモニウムのパワーで準備万端だ。君らは天国まで吹っ飛ぶ。1人でも逃げようとしたら全員死ぬ。それぞれの船に互いを吹っ飛ばすリモコンが」「爆破予定は午前12時。リモコンのボタンを押した方の船は助けてやる。さてどっちの船かな?デントこだわりの悪党コレクションか、何の罪もない市民たちか。君たち次第だ。早い方がいい。相手にはためらうほどの良心はないかも」

フォックスがジョーカーの位置を特定。バットマンが向かう。ゴードンにも教える。

二つの船の通信は切られている。相手の船の状況はわからない。市民たちが乗る船は議論をしたがる市民と議論の余地はないという軍人。

ラミレスのもとにハービー・デント。ラミレスはハービー・デントの指示でバーバラに連絡する。
ハービー・デント「殺すとは思わなかったと?聞いたセリフだ。じゃどうなると思ったんだ?」
ラミレス「母の入院費がかさんで…」
ハービー・デント「黙れ!」
ラミレス「許して」
コインを投げる
ハービー・デント「生きて悪と戦え」ラミレスの顔を殴る。

ジョーカーが隠れているビルの向かいのビルにゴードン。ジョーカーは人質を取っている。ピエロが5人。
ゴードン「まるで射的だ。なぜ奴は大きな窓を選んだ?」

SWATの突入をやめさせるバットマン。
バットマンはフェリーの人たちを信じる。起爆装置を押さないと判断する。
フェリーでは投票。
バットマン「5分で済む」
ゴードン「ダメだ。時間がない。標的は撃てる。デントは人質の中だ。彼を助け出さねば」
バットマンはビルに突入。ビルの中を見える化。SWATの位置も把握。
ゴードンは2分待って突入するように指示。

ハービー・デントはゴードンに連絡。
ゴードン「バーバラ」
バーバラ「彼が子供たちを!」
ハービー・デント「やあジム」
ゴードン「ハービーか?私の家族は?」
ハービー・デント「俺の家族が死んだ場所だ」

ジョーカーの罠。ピエロは人質。
バットマンはSWATからピエロの人質を守り、敵からSWATを守ろうとする。

フェリーの投票の結果。反対140票、賛成396票。
市民「決まりよ。早くやって」
乗組員「我々は生きてる。ボタンは押されてない」

ピエロが人質でドクターが手下だということを把握する。

バットマンはジョーカーの前へ。
バットマンVS犬3匹+ジョーカー

フェリーの囚人の一人が起爆装置を渡すように言う。
囚人は起爆装置を受け取り、外に投げ捨てる。10分前にすべきことだったと言う。

市民も起爆装置を押さない。

12時になっても爆発しない。
バットマン「何を証明したい?誰しも心の奥底は醜いと?お前だけだ」
ジョーカー「近頃の奴らは信用ならん。任せたらこれだ。なあ?まあいい。自分でやるさ。世の中皮肉だ。ところで傷の物語を?」
バットマン「知らない。だが新しい傷を作れ」
バットマンはジョーカーを突き落とし、ワイヤーで吊るす。
ジョーカー「お前って奴はどうしても俺を殺せないらしいな。いかに俺が手強くて止められなくてもモラルを捨てない。頑固な奴だ。本当に持ってるらしい。“高潔な精神”とやらを。お前に俺は殺せない。まるで見当違いの正義感がジャマして。俺もお前は殺せない。せっかくのオモチャだからな。どうやら永遠に戦い続ける運命だぜ」
バットマン「お前は病院(アーカム)送りだ」
ジョーカー「一緒に入らないか。イカれた奴が増えてベッドが足りない」
バットマン「ゴッサムの市民はお前に示した。彼らは良心を信じる善意の人々だとな」
ジョーカー「それも希望が打ち砕かれるまでさ。デントが正体を現して復讐してるというヒーローぶりを知るまでだ。街の希望の星、デントをほっといて俺がお前と殴り合いするか?まさか。勝負には切り札ってのが必要なのさ。俺のはデントだ」
バットマン「何をした?」
ジョーカー「ゴッサムの“光の騎士”を俺たち悪党のレベルに落としてやった。楽勝さ。お前も知っての通り、“狂気”は重力のようなもの。人はひと押しで落ちてく」

ゴッサムはハービー・デントのもとへ。背後からハービー・デントに殴られる。
ハービー・デント「レイチェルはお前の部下に連れてこられてここで死んだ」
ゴードン「彼女を助けるため私も来た」
ハービー・デント「助けなかった」
ゴードン「ムリだった」
ハービー・デント「いいや助けられた。警官の腐敗と戦い、スパイを見破っていれば」
ゴードン「私はマフィアと戦ってた!」
ハービー・デント「彼女が死んだ今でも言い訳するのか。最愛の人に言ったことがあるか?大丈夫でない時に“大丈夫だ”と。その気分を味わわせてやるよ。それから俺の目を見て謝るんだ」
ゴードン「私の家族に手を出すな」
ハービー・デント「いいや、殺すのは最愛の1人だけだ。それは妻か?」
ゴードン「銃を置け。ハービー。銃を置くんだ。頼む。ハービー。お願いだ。私の家族に銃を向けるな!」
ハービー・デント「息子か」
バーバラ「ジム、止めて!助けて!」
ゴードン「ハービー。謝る。何もかも。息子は殺すな。お願いだ」
ハービー・デント「警官を呼んだのか?」
ゴードン「警戒中なんだ。彼らは事情を知らず包囲してる」
ハービー・デント「俺が逃げるとでも?逃げ道はない。すべて終わりだ」
バットマン「子供を殺したいのか?」
ハービー・デント「そうじゃない。公平さの問題だ!俺たちは悪の時代に正義を行おうとした。だが間違ってた。この残酷な世界で唯一のモラルは運だ。運は公平で、偏見もなくフェアだ。息子の運は彼女と同じ50-50だ」
バットマン「彼女を助けようとして我々3人は果敢に行動した」
ハービー・デント「なぜ俺だけが愛する者を失った?」
バットマン「私もだ」
ハービー・デント「俺だけ選ばれ…」
バットマン「最も高潔だったからだ。ジョーカーは君ほどの人間でも悪に染まると証明したかった」
ハービー・デント「証明できた」
バットマン「惜しみの銃口は彼女を死なせた連中に向けろ」
ハービー・デント「いいだろう。お前からだ」
コインを投げる。バットマンを撃つ。
ハービー・デント「俺の番だ」
ゴードン「君の言う通りだ。私のせいで彼女は死んだ。だがお願いだ。息子に罪はない。私を罰してくれ」
ハービー・デント「そうしよう。息子に“大丈夫だ”とウソをつけ。俺のように」
ゴードン「大丈夫だ、ジミー」
バットマンはハービー・デントにタックル。ハービー・デントは落下。バットマンはゴードンの息子をゴードンに渡し、力尽きて落下。

ゴードン「感謝する」
バットマン「礼など言うな」
ゴードン「いや言う。ジョーカーの勝ちだ。ハービーが悪と戦った努力は水の泡だ。正義漢の彼の殺人が知れたら街の浄化など望めない。希望は消えた。ジョーカーは光を闇に変えた。市民は絶望する」
バットマン「いいや。誰にも知らせるな」
ゴードン「5人死んだ。2人は警官だ。隠せない。」
バットマン「奴には勝たせない。ゴッサムにはヒーローが必要だ。」
ゴードン「ダメだ」
バットマン「ヒーローとして死ぬか、生き延びて悪に染まるか。私が彼の罪をかぶる。私はデントと違いヒーローじゃない。私が5人を殺した」
ゴードン「君は殺人者じゃない」
バットマン「ゴッサムのためだ。連絡しろ」

ゴードンの記者会見「デントはゴッサムが求めた真のヒーローでした。彼こそ輝ける光の騎士です。」

バットマン「警察が追うぞ。手を抜くな。追いつめろ。犬も放て。それぐらい必要だ。真実だけでは人は満足しない。幻想を満たさねば」
ゴードンはバットマンを呼ぶためのライトを壊す。

ゴードンの息子「バットマン!なぜ逃げるの?」
ゴードン「警察が追う」
ゴードンの息子「悪くないのに?」
ゴードン「彼は街に必要な人だ。ただし今は“時”が違う。だから追う。だが彼は強い。彼はヒーローじゃない。沈黙の守護者。我々を見守る監視者“暗黒の騎士(ダークナイト)”だ」