傘籤

ダークナイトの傘籤のレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
-
観るの何度目かな。IMAX上映とかでリバイバルされる度に観てるからもう回数はわかんないや。今回は"他のヒース・レジャー出演作品と見比べる"という目的で鑑賞。

当然本作品における彼の演技は素晴らしく、神がかったものがありますが、『ロック・ユー』や『ブラザーズ・グリム』など、初期の頃から"役に入り込む"俳優さんではあったので、それだけ「ジョーカー」というキャラクターが尋常ではなかったということなんでしょうね。

原作のアメコミ『ダークナイト』を2008年当時の世界情勢に置き換えてビルドアップさせた本作は、ノーランの異常な拘りが画面構成ひとつひとつに至るまで行き渡っており隙がありません。冒頭の銀行襲撃から、留置所でのバットマンとジョーカーの対話など名場面の数々でほんとに何度観ても面白い、面白すぎる。

「選択」というものがキーワードになっており、観る者の倫理観を問い、翻弄させてくる異常に良くできた脚本。ハンス・ジマーのガツンガツンとした硬質な音楽が響き渡り、「混沌」そのものをフィルムという箱に封じ込めた、傑作中の傑作です。
傘籤

傘籤