tyapioka

ダークナイトのtyapiokaのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.4
2019.10.20
男心をくすぐる作品。バットマンのギミックがカッコいい。しかし、何より魅力的なのはジョーカーだろう。最初に悲しそうなピエロの仮面を被っていたのは何故だろう。仲間同士の殺し合い、金を燃やす、鉛筆を消すマジック、すべてがキャラクターを形成している。ラストにタイトルが出るのも美しい。アメコミ映画史上随一に素晴らしいラスト。
2020.07.11
4DXで見たことで今まで以上に物語の緩急を感じられた。かなり小刻みにアクションとしての見せ場をつくりつつ、一方でトゥーフェイスの闇堕ちや混沌の使者としてのジョーカー、バットマンではなくダークナイトになるドラマ部分を丁寧に描いていた。何周かすると誰が裏切り者かもはっきりし、整理でき、全体像がすっきりする。ジョーカーとバットマンの互いを殺さない部分は歪んだカップルのようにも、一卵性双生児のようにも感じられる。この作品はジョーカーの演技はもちろんのこと、バットマンを密告しようとするリースや、わけもわからずジョーカーに心酔する若者や、ジョーカーについている黒人などの脇役の演技も安定していてよい。ラストのタイトル出るシーンは何度見ても鳥肌が立つ。また、初めて観たときダークナイトというタイトルを夜のことだと思っていたら、闇の騎士という意味だった驚きを今日、映画館で思い出した。字幕が直っていることに歳月を感じた。
2020.07.14
IMAXにて観賞。画面が大きくなったり、小さくなったりするのが少し気になったが迫力はあった。どの部分を違うカメラで撮影しているのかはわかりやすくてよい。また、特に音がIMAXは普通の映画と違った。内臓に響く。ジョーカーの高い声からの低い声もわかりやすかった。物語の構成で同時進行をよく用いている。いくつもの緊迫感ある展開が一点に重なるため、エンタメとしての興奮度が高い。また、カウントダウンを多く用いることで緊迫感を出す手法もよかった。トラック宙返りや病院爆発シーンなどを少ないカットで効果的に全貌の理解と迫力を出していたのが凄いと思った。ジョーカーは仲間がいるようで最後犬と一緒に戦闘をし、船のところでは他人に任せたら失敗する。ある意味ハービーに任せようとしたら失敗したバットマンと重なる。似た者同士。重力の挿話からのハービーとバットマンが落ちるラストバトルは落とされた者と覚悟を決めて落ちていく者というシーンなのかもしれない。色々深読みができて楽しいが、それを抜きにしたエンタメ部分もしっかりしている。
2021.07.04
ジョーカーは目を逸らされてきた人物なのかもしれない。相手の頭をつかみ、自分と自分の傷を見せつける。流血シーンや口裂きのシーンがないのも、この映画の場合はジョーカーの残虐さより不明さに重きがあるからよいと思う。バットマンがジョーカーに勝利するのではなく、ゴッサム市民の決断が勝利した落とし所とそれを守るための闇の騎士へと変貌する終わり方がよい。
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