ちろる

ダークナイトのちろるのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.2
シリーズの中でも最も評価の高いこちらのダークナイト。
その立役者はなんといっても故ヒース レジャーのジョーカーの不気味すぎる存在感なのでしょう。
元祖ジョーカー俳優ジャック ニコルソンのインパクトをぶっちぎってまで新たなジョーカー像を作り上げたのは、あの剥げ落ちたボロボロのジョーカーメイクのリアリティある演出で、思わずヒース レジャーが演じているということを忘れてジョーカーが独り歩きしたいる恐怖がこの作品全体に広がっていた。
そこまで泣かせてくる作品じゃないのかもしれないけど、アルフレッドの優しい嘘が後々ジワジワきてなんか涙腺が。
こういう細かい台詞回しとかが粋でただの悪との戦いというだけではなく、一度味わった後にまた3度、4度旨味がまた染み込んでくるプロットが素晴らしい。
そしてここに来てなんでヒーローものが苦手な私がこのバットマンは大丈夫なのかもなんとなく理解できてきた。
絶対的な正義も絶対的な悪もなく、人間である以上ちょっとしたことでどちらにもひっくり返ることがある。
正義は勝つ、悪は打ちのめされる事が当たり前なのではなく、そのグレーゾーンの部分を時に残酷に突いてくるこちらのバットマンシリーズの闇の描き方は繊細でしっくりきてしまうからやっぱノーランすごいわ。
ちろる

ちろる