しぇんみん

ダークナイトのしぇんみんのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.0
「彼は沈黙の守護者であり、監視者であり、闇の騎士なのだ」

未だマフィアの影響力を払拭できないゴッサム・シティ。

やがて「ジョーカー」という無慈悲な悪党が現れる。

白塗りの顔と黒い縁取りをした目、そして裂けた口を縫った傷痕が目立つ不気味な怪人だ。

一方、“光の騎士”の異名をとる検事、ハービー・デントも現れる。

レイチェルと恋仲となったハービーと会ったブルースは、彼が信用できる人物であり、真の英雄たりうるのではないかと期待する。

そんな中、マフィアと密約を交わしたジョーカーが、バットマン退治に乗り出した。

「バットマンが名乗り出ない限り、今夜から毎日、人を殺していく」と宣言し、実行に移すジョーカー。

街の主要人物が次々と彼の手にかかり、正体を明かす時が来たと覚悟を決めるブルース。

だが、ハービーが「自分がバットマンだ」と嘘の宣言をする。

ジョーカーを誘い出すためのこの仕掛けを発端として、一大事件が巻き起こるのだった...。

クリストファー・ノラン版バットマン、「ダークナイト」シリーズ第二作。

本作公開直前にヒース・レジャーが急逝したことでも有名だ。

主人公は勿論バットマンなのだが、ヒース・レジャー演じる宿敵ジョーカーの、狂気とカリスマ性に満ちた存在感に目を奪われる。

ジョーカーは、常識が通用しない。

その作り込まれたキャラクターは、ヒースの演技力もさることながら、崩れたメイクや細かな仕草も相まって印象深いものとなり、完全に主役を食う存在となっている。

とまあ、ジョーカーへの賛辞ばかりになってしまうのだが、やはりバットマンのキャラクター性と物語の造りも好みの一本になっている。

バットマンはヒーローではあるが、葛藤もすれば怪我もする生身の人間である。

いかに彼でも、数少ない理解者の協力があっても、解決できない問題もあれば、救えない生命もある。

前作を経て、犯罪撲滅のためなら自己犠牲も問わない彼の覚悟が感じられ、非常に共感し易いヒーローとして描かれている。

DC製のヒーローは悩める姿が良く似合うなぁ、と思う。

ハナマル!

2019/04/06
しぇんみん

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