正義感を強く持つほど、一瞬で悪に負けてしまうんではないかなと思ってしまったな。誰にでも悪を犯す種のようなものは持っていて、ただそれを実行するにも意思や勇気が必要なのだと感じた。ハービーがあのようになってしまったのも正義を強く持っていたし実行力も兼ね備えていたからなんじゃないかな。
フェリーの乗客は正義を持って踏み止まったようにも見えるけど、ただ単にボタンを押す勇気がなかっただけなのかもしれないとも思った。(こういう見方しちゃう私が捻くれてるのかな…苦笑)
囚人の決断は悪を犯したことがあるからこそ正義を貫けたんじゃないかと感じた。
ストーリー以外の演出部分では、暗闇の映画なのに照明がめちゃくちゃいい仕事していて感動！
まずジョーカーを捉えてゴードンが取調室で話をするシーンは、最初「何でこんなに暗いんだろう」って思ってたけど、バットマン登場を印象づける演出になってて痺れた。
そしてジョーカーが吊らされてヘリコプターの光を浴びながら語るシーンも狂気さが増してかっこよかった。
映画終盤、ジョーカーのいるビルの階にバットマンが行き対峙するシーンで犬が襲い掛かった後ジョーカーが襲いかかるんだけど、軽やかなステップを踏んでるところが楽しんでる様を一瞬感じさせて気味が悪くて最高だった。
全体通して、重たい雰囲気はあるけれどジョーカーは悪をエンターテイメントとしているし、そこに正義だの良心だの考えるのは二の次なんだろうなと思わせてくれるところが最高にイカれてて面白かった。
"真実だけじゃ人は満足しない、幻想を満たさなければ。"
