あさのひかり

ダークナイトのあさのひかりのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.7
映画でストーリーだの何だのに圧倒され過ぎると、出てくる感想が「やばい、やばい!(語彙力!すごすぎて他に言葉が出てこない!)」ってなることは経験済みなのだけど、これはそんな数少ない映画のうちの一本でした。

ずーっと観てる間ぞわぞわして落ち着かなかった。もうジョーカーの気持ち悪さに圧倒されて、先は全く読めない。目的のない、悪を遂行することが目的の悪の恐ろしさ。ああ、もう全ての人が彼の手のひらの上で踊らされるピエロの役回りになることこそ、彼の望み。

それになんとかして止めようとするのが正義の側なのだけど。正義の側にいるはずの人が闇落ちしちゃったり、正義を遂行しようとする余りに結果、道義的に危険な行動に出ちゃう、ってのも、すごくリアルだった。闇落ちを促すジョーカーのセリフもそれは魅力的で説得力あったし、この道義的に危険な行動についても、彼のこのセリフにぴたりと符号するのがまた素晴らしい。正義が正義であろうとして立ち上ってくる悪。暴走するとまた、これはこれで闇落ちしちゃうやつ。

そんないろいろあったし、結局大富豪だからできるんでしょ?とかもあるのだけど、私はなんだかんだバットマン派。こんな相手に主導権渡したくない、ってのは全く共感しかないし、だからフェリーのくだりはもう本当に良かったー、ってなったし。

そして、落ちてないのにある意味落ちてしまったバットマンが、今度はまたどのように上がってくるのか、楽しみです!
あさのひかり

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