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ダークナイトのるのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
4.6
ダークナイト この言葉の意味を深く考えさせられる作品だった。
アメコミを原題とした映画にも関わらずヒーローとヒールの善悪の戦いだけの単純な構造に留まらず、作品のテーマは深く、人間関係や心理の描写はとても鋭い。
クリストファーノーラン監督とそしてなりよりもこの映画を観たものなら誰もが口を揃えるであろうジョーカー役のヒース・レジャーの狂気的な役作りがこの作品の雰囲気を形作っている。
ジョーカーの何をするかわからない不気味さや作品全体の空気感までも支配するヒース・レジャーの怪演にはひたすらに称賛を贈りたい。
ハービーてデントが悪に染まってしまう過程や船での人々のシーンの心理描写はとてもリアルで人間の善悪の曖昧さを考えさせられる。
また、「混沌の本質とは平等だ」「お前が存在するから俺が生まれた」など、登場人物の対話にも物語のテーマを感じさせられる限りなく完璧に近い作品だと感じた。
さらに、今作は前作にもまして、バットマンのダークヒーローたる所以がいかんなく描写されているように思える。
今までにない、しかしどこまでもバットマンらしい、圧巻の作品であった。
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