父親がナチのスパイであった娘が、アメリカ側のスパイに任命され、南米にいるナチの残党の内情を探る話。
ヒロインはお目付け役である諜報員と恋に落ちるわけだが、任務遂行のため、潜入先の男と結婚する羽目になる。
それは父の元相棒で、かつて自分に言い寄ってきたナチの男であった。
ストーリーや設定が字面では伝えにくいもので、本作の面白さを表現しきれない。まず観てほしい!
ラブロマンスとサスペンスが交錯する秀逸なプロット。
任務での立場に加えてロマンスも絡むため、キャラクターがよりいっそう自由に身動きを取れない。
そんな絶妙な制約が、本作の面白さの肝だと感じる。
前半は、ヒッチコック作品に期待するハラハラドキドキ感は少ない。
ラブロマンスや任務についての状況設定を踏み固めることに重点が置かれている。
後半は、それらを土台とし、緊迫感のある展開へ。
結局、ヒロインは夫にアメリカのスパイであることがバレてしまうのだが、その先の展開は常に予想できなかった。
特に最後の駆け引きが最高に面白い!
ヒッチコック作品の小気味良さというか、皮肉なテイストも感じられて堪らんかった。
ヒロイン役のイングリッド・バーグマンの美しさが映像としての魅力を底上げしている。
上空から見たリオデジャネイロ、めちゃくちゃ綺麗じゃん。