1976年の夏、カトリックの家庭に生まれたピートは、ユダヤ教のラビの息子・ダニーと仲良くなる。白血病に罹患したダニーを天国へと迎え入れるべく、ピートは「10のテスト」を考案する。
信仰の違いとか、人の死とか、「夏休みのレモネード」が醸し出す爽やかさからは程遠い、重いテーマが出てくる。それらを忘れさせて余りあるのは、少年たちの信仰を越えたピュアな友情である。彼らを見ていると、我々大人が如何に硬直した世界に生きているかが分かる。子供の無知で無垢なエネルギーがそうした世界から大人を解放したとき、熱い涙が堰を切って溢れ出す。
ほろ苦い夏のうちに子供らの聖域を見ることのできる、隠れた名作である。