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夏休みのレモネードのkomoのレビュー・感想・評価

夏休みのレモネード(2002年製作の映画)
4.1
カトリックの家庭に生まれたピートはやんちゃ坊主で、シスターから「神の道へ入りたければ夏の間に良い行いをしなさい」と注意を受ける。
そこでピートは、他の宗教の人をカトリックへ改宗させれば良いことをしたと神様に認められる、と考えた。
ある日近所で家事があり、消防士であるピートの父がユダヤ人の男の子ダニーを救助する。
ピートはダニーと親しくなるが、彼は白血病に冒されていて命が長くないことを知る。そして彼に『天国へ行く方法』として、カトリックの作法を教える。


【人それぞれの天国】

子どもの無邪気な思いが健気で、そして残酷でした。
病気の友人を救おうとするストーリーは、『マイフレンドフォーエバー』に似ていますが、病気を治してあげようと奮闘するその映画とは異なり、こちらは亡くなってしまう運命を覚悟した上で死後の世界について示す極めて宗教的なストーリーでした。

私自身が宗教観念に詳しくないので仔細なレビューは控えようと思います。
ただ、子どもたちが互いの宗教の作法を教え合うことを良く思っていなかった大人が、最後の最後で”宗教は違えども人間の本質は同じ”という答えを導き出し、ピートも自分のしてきたことに納得できたのが良かったです。

宗教的価値観の違いを描いた作品は多くあれど、子どもの視点で真っ向から幸せの根元を問う映画はなかなか類を見ないと思います。
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