おーたむ

ドランク・モンキー/酔拳のおーたむのレビュー・感想・評価

ドランク・モンキー/酔拳(1978年製作の映画)
3.6
「燃えよドラゴン」からカンフーつながりで、ジャッキー・チェンを。
ブルース・リー同様、この方も多くのフォロワー、オマージュ、パロディを生んだ大スターですし、見とくのもいいかなと。

しかし、なんと言うか、レビューするのに困っちゃう作品というか…。
本作最大の見どころは、陽性で親しみやすいジャッキー・チェンの個性を生かした、コミカルな、しかし切れ味鋭いカンフーアクションで、これに関しては、たしかに目を引き付けるものがありました。
しっかりした練習のあとを感じさせる、完全な予定調和のアクションですが、それにしたって、人間が体一つであそこまでのパフォーマンスを見せられるんですからね。
何せ、この頃のジャッキーは、眼福モノのめちゃめちゃ鍛えた体つきしてますし、そりゃ、これだけアクロバティックな動きも出来ますよねっていう感じ。
素直に凄いなと思いました。

一方で、アクションは素晴らしいけれど、それが唯一の見どころとも言えちゃう気がして、困っちゃうんですよね。
誇張じゃなく作品の内容の半分以上がアクションなので、しっかりとしたストーリーで観客を感動させるような尺はなく、したがって、噛みごたえはイマイチでした。
もちろん、「ストーリーは○○を見せる方便」というような作品にも良い作品はありますが、本作はその傾向があまりにも極端すぎるような気がしてしまい…。
「ジャッキー・チェンが見せるコミカルなカンフー・アクション」が琴線に触れない人にとっては、極めて見どころの薄い作品に見えるんだろうなという、余計なお世話な感想も湧いてきたりして。
まあ、そういう人はそもそも見ないか。

ただ、私自身は、こういう観賞の敷居が高くない作品を見たい気分のときだってあるし、見てよかったなと思いました。
現在まで脈々と続くジャッキー映画の源流にある作品を見られたという点でも、それなりに良い経験になったと思いますし。
まだ若く、ツヤツヤしてるジャッキーの魅力、存分に堪能させていただきました。
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