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ドランク・モンキー/酔拳のn0701のネタバレレビュー・内容・結末

ドランク・モンキー/酔拳(1978年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

道場の師範代の息子である男は未熟だ。
筋力はあり、腕はたつが誰よりも強いというわけでは無い。

ある日、若い女に声をかけると、その母親にボコボコにされる。その娘は従姉妹で、母親は叔母だった。

師範代である父は悪さをするドラ息子を辛い修行で有名な男のもとに預ける。男の風貌は、いかにも浮浪者のような出で立ちで、髪の毛は伸ばしっぱなしでボサボサ、アルコール依存症のような赤い鼻、赤い頬をして、ただの酔っぱらいのようにしか見えない。

彼らの出会いは、ドラ息子が飯屋で食い逃げをしようとして店の者に捕まり、罰として暴力を受けているところだった。
浮浪者は老人とは思えない動きで何人もの男をなぎ倒しドラ息子を救う。

彼らは修行を始めるが、ドラ息子は辛い授業に耐えきれず何度も逃げ出そうとする。しかし、それは尽く失敗する。

ある日、逃げ出す最中、腕のたつ殺し屋の男と出会い、屈辱的にボコボコにされる。その悔しさに真面目に修行を始めるが、ドラ息子は戦い方を教えてくれない師範に愚痴をこぼす。

しかし、それは酔拳の奥義「八仙拳」を教えるために必要な基礎的な筋力を鍛えるためのものだった。

「八仙拳」はかつてその名を轟かせた仙人たちの型であり、それらを総称している。その概要は次の通りだ。

呂洞賓(ろどうひん)
猿拳の歩法を応用し、酒の入ったひょうたんをヌンチャクのように振り回す。

鉄拐李(てっかいり)
片足で立ち、足技と杖により攻撃する。

権鐘離(けんしょうり)
酒に酔うと重い酒瓶を持ち上げられたことから、胸部は含胸抜背の格好となり、両腕は胸の前で円を作るようにして予測不可能な動きで攻撃する。

藍采和(らんさいわ)
腰をくねらすなどして移動する。

張果老(ちょうかろう)
足技を使い、ブレイクダンスのように、足を回転させながら攻撃する。

曹国舅(そうこくきゅう)
杯を持った形の技(月牙叉手)、指による禽拿技で攻撃する。

韓湘子(かんしょうし)
笛を吹くときの指の格好で攻撃、猿拳の歩法と左右の交叉法も使う。

何仙姑(かせんこ)
女性で腰をくねらせたりして相手を惑わし、目潰しを食らわせたり肘鉄砲を使う。

ただし、ドラ息子は何仙姑は女の技だとバカにして真面目に修行しない。
さて、修行を初めて1年、ある日急に師匠はいなくなる。もう教えることは何もないということだ。

だが、師匠なしで宿敵の殺し屋と対峙した時、殺し屋との戦いの最中、ふらっと師匠が現れる。

そして、真面目に修行しなかった何仙姑の形を自分なりに表現するように助言する。

最後、師匠が戻ってくるのが蛇足だ。
それに、物語の終わりも唐突すぎる。

それだけが残念だ。
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