12分前には知らなかったこのおじいさんのことを最後は抱きしめたくなった。
家と人は一緒に記憶を重ねていくけれど、本作ではその家に高くなり続ける海の水位が迫り来て、つみきのように家を積み重ねていかなければ生きていけません。
下の階に潜れば潜るほど、若い時代を過ごした部屋へとたどり着くおじいさんですが、それは深い記憶そのものに潜っていくのと同じこと。
下へ下へ、記憶をたぐりよせていくおじいさんを見ながら、彼がどれほど遠いところまで来てしまったのか、人が年を重ねていくという普遍的なテーマをやさしく訴えかけてくる作品です。
ラストでカチンとグラスを鳴らすおじいさん、ぐっときました。🍷🍷
追記
カールじいさんの回想シーンを思い出しました(ლ˘╰╯˘).。.:*♡