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砂漠は生きているのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

砂漠は生きている(1953年製作の映画)
3.0
[サソリのダンスだけでも観る価値はある] 60点

"砂漠は生きている"という語呂の良さはどうしても"ボルボは川にいます"を思い出してしまうが、題名の通り砂漠の話なので川どころか水すらほとんど登場しない。ディズニーの教育系映画の一本で、これが日本に来たとき配給の大映が文科省と組んで義務教育学校での鑑賞を義務付けたという中々エグいエピソードまである。そして、不思議なことに本作品はカンヌ国際映画祭のコンペに選出されたのだ。まぁ昔は『沈黙の世界』がパルム取ったりしてるし、謎選出は毎年登場するのだが。

映画としてはテレビのなかった時代のアニマルプラネットという感じで、砂漠で生きる生物を細かく説明してくれる教育系ドキュメンタリーである。全体的に胡散臭いが、サソリがバトルしてるシーンを使ってダンスシーンに作ってるのには流石に爆笑した。遊ぶな。『とらんぷ譚』の再生/逆再生シーンを思い出した。全体的に音楽やカット割りがドラマ的で、すぐに興味を失う子供心を分かってるのが悔しいところ。そんな都合よく撮れるか?みたいな物語性を帯びていて素直に感心する。あと、ヤマネコが可愛い。最近自分が犬派か猫派か分からなくなってきた。

と、ここまで書いて気付いた。ドラマ的すぎて胡散臭い感じ、『世界残酷物語』に近いものを感じる。1時間の中にコンテンツ洩りすぎで疲れてしまった。
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