よるこ

ぼくの国、パパの国のよるこのレビュー・感想・評価

ぼくの国、パパの国(1999年製作の映画)
4.1
第一夫人を本国に残して、映画撮影で出会ったイギリス人の母さんと恋に落ち結婚した移民のパキスタン人の父さん。
長男は父に決められた花嫁を結婚式で置き去りにしパリへ(実はゲイ)。6人の子供達はイスラム世界の絶対的父家長の権限を振りかざすいばりんぼの父にうんざり。母さんも独善的な夫に尽くすことにうんざりだけど愛してるし、暴力をふるいだした父さんから子供をかばいながらも、子供に悪口は言わせない。
父さんも移民の仲間内のイスラム世界での立場や考えから抜けられないから殴りたくないけど母さんなぐっちゃったり、故郷はインドとしょっちゅう戦争してて心配だしで、異なる環境で育った子供と親の衝突が問題の重いテーマだけど、割礼されちゃうフードをかぶった末っ子のサジが"パキのヤツらが来た!"とか叫ぶ姿がかわくてつい笑っちゃう。遊び人の三男タリクはイギリス男風なイケメンだし、乱暴な姉ちゃんのミーナも美大生の4男のヘンタイアートも、イギリスの日常とその中のパキスタン移民文化をコメディタッチで描いていて楽しい。
ラストで流れるSupergrassのMovingが懐かしくて絶妙。
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