RiN

ハッシュ!のRiNのレビュー・感想・評価

ハッシュ!(2001年製作の映画)
4.1
「ぐるりのこと。」で天才を確信し、「恋人たち」で再びがっつり心を掴まれてしまった橋口監督作品を、徐々に制覇せんとしているわけですが、これまた傑作ですね。裏切らない、この人は裏切らない。
とある睦まじいゲイカップルの前に現れた頭のおかしい女・朝子。「子供が欲しいの。だから協力してくれない?」
奔放な彼女に振り回されていくうちに、家族とは何かを見つめ直していく群像劇。いちいちセリフが心に刺さる。

橋口作品を見ていて感じる、圧倒的な優しさはなんだろうと思っていたのですが、あれだ、「捨てる神あれば拾う神あり」だ。圧倒的に拾う神なんですよ、橋口さん。もう優しいもん、朝子に蹴りだされたチャラ男にすら優しい。きつい兄嫁にすら優しい。それでいて、ご本人がゲイを告白していながら、ゲイのえげつない部分もちゃんと描く。目を背けない。しんどいの引き受けたうえで優しいひとなんですね。すごい。

三人って、いいですよね。椅子も三つ足で安定しますし。でも切なくもある。二人にはなれない切なさと、安心感。この映画の三人が大好きです。
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