栗田勝裕と長谷直也は付き合いはじめて間もないゲイカップル。勝裕はある日、ひょんなことから藤倉朝子 という女性と知り合う。彼女は子供が欲しいから精子を提供を求められる。そのことからゲイカップルと子供が欲しい女性の奇妙な関係がはじまっていく。
自身もゲイであることを公表している橋口亮輔監督作品。やはりこの監督の作品は時代の割には、かなり鋭いところを攻めているなぁと思います。
1組のゲイカップルと子供は欲しいけど、別に結婚したいわけではない女。この女が中々のクセ強な人で、過去に2回中絶を経験しています。しかし、筋層内筋腫になったことで、出産及び子供のことを考えはじめます。幸せの形なんか人それぞれだし、可能性をつぶすのはもったいないことだとは思いますが、それでも“責任”ってところを考えると、この女の意見に完全賛同とはまではいかないですかね。それでも、自分のことを決めるのは自分だし、ラストにはこの3人なら大丈夫って思えてきちゃいました。色々大変かもしれないけど、幸せにはなれそうな気がします。そう思わせたのは、3人が一緒にいる時の温かさ・心地良さからでしょうね。
話的にはキツめな内容ですが、3人の普通じゃないけど素敵な関係やその雰囲気など、キツい を覆ってしまうほど温かさや心地良さのある作品でした。
