ねこたす

私のように美しい娘のねこたすのレビュー・感想・評価

私のように美しい娘(1972年製作の映画)
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出版予告されていた、「犯罪女性」が出版されていない。そこから1年前に遡り、何があったのかが次第に明らかになっていく。

こう聞くと何だかミステリーのようだが、ピリっとブラック気の効いたコメディ映画である。

物語の推進力を一人で担う、ベルナデット・ラフォン演じるカミーユ。実際には刑務所の中にいるのだが、話術巧みに社会学者と対面する。まさに、女版レクター博士のようである。

彼女の話す昔話では、非現実的な表現が使われ誇張されているのではないか?と観客に匂わせる。
しかし、水を得た魚のように活発に動き回る彼女は観ていて楽しくもある。

ちょっとしたキャラクター作りが映画に命を与える。カミーユは映画を観ている多くの人が嫌悪感を抱いてもおかしくない女だが、バンジョー掻き鳴らし歌っている姿は確かに愛おしくも見える。
セックスするのに、わざわざレーシングカーのレコードをかける男。やけに信心深い害虫駆除の男。

思えば一つ目の話終わりに、「賭けだった。そして、それに私は勝った」と言っている。その後の展開を引き起こすため、彼女が罠を張っていたとは思わないが、なんだか納得させられてしまう。
男を引き寄せる力が強く、さらに運も引き寄せるとは…。
二人のみならず、3人4人と男を手玉に取っていく様は清々しくもある。
直前に不倫で破滅する男の映画をみたばかりなのに…笑

ただ、「柔らかい肌」で男が欲望の為不倫していたのに対し、カミーユは我欲ではなく生存欲求の為に男を使っているようだ。カマキリのメスが、オスを食すように…。

教授の一縷の望みさえ踏みつぶすその姿は天晴れと言いたいところだが、その後物語がどちらの方向に進んでいったのかはっきり示さず観客に委ねるところも想像の余地があって楽しい。