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大仏さまと子供たちのmingoのレビュー・感想・評価

大仏さまと子供たち(1952年製作の映画)
4.2
前作に引き続き戦災孤児の少年たちが今度は東大寺界隈で観光ガイドをやって日銭を稼ぎ、次第に美術品に愛着を持つようになる姿がほのぼの描かれる。浅草の観音と大仏が同時に出発したらどこで出会うか、応募はがきに「奈良市 東大寺南大門 仁王様方」と自分の住所を書いたり、ほっこりギャグ要素多めで愉しい。豊ちゃんがグリコのおまけの双眼鏡を源コウにあげようとするが源コウは覗くことなく豊ちゃんのそばにそっと置くくだりやラストの一雲さんと一緒に大仏さまの掌の上で寝るのを捉えたショットは清水宏が清水宏たる所以の寄り添い方であまりにも素晴らしい。「想い」が「人をつくる」のでる。他にも源コウが子供の仏像を街中の仏具屋でもの欲しそうにいつも見つめていたりと細部に命は宿るに準じた演出に舌を巻く。そして3部作の終わりに相応しく扉の開閉で物語は終わる。仏像オタクや奈良住まいの方には尋常でない刺さり方をする傑作。満員で観られない人のためにも普通に観れるようにしてほしい、
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