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小さな中国のお針子のkaiのレビュー・感想・評価

小さな中国のお針子(2002年製作の映画)
4.3
「芙蓉鎮」「山の郵便配達」に並び中国を舞台とした映画マイベスト3のうちの一つ。回りくどい書き方をしたのは、こちらはフランス映画だからである。

文化大革命の時期、再教育のため山深い山村へ送られた二人の青年がその村で美しいお針子に出会う。
村には文字を読める者はいなかった。時計を知らず太陽に合わせて活動していた。
青年たちはお針子に本を読み聞かせ、文字を教える。お針子のお気に入りはバルザックだった。そして・・。

時代は現代の中国へと舞台を移す。
青年二人のそれぞれのお針子への思い、その後の生き方、そして中国の変貌が感慨深く余韻を残す。経済や文化の発展によって見えるものは大きく変わっても、人々の心の中に息づいているものは変わらない。

ラストのダムのシーンがとても美しい。奥深い山の緑が美しい。青年の奏でるバイオリンの音色が耳に残っている。
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