はる

ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのはるのレビュー・感想・評価

4.5
なんとなく石油王的な成り上がり的な映画だと思っていたので、こう女を周りにはべらせて、膝枕の上で寝ながら葡萄を口にポンポン運んでくれるコレぞまさに金持ちの極み!みたいなのなのかな!いいな!羨ましいな!とか観る前ははしゃいでたんですが、全くそんなんじゃなかったですよね。
小汚いおじさんが一人でコツコツと採掘をしてるシーンから始まるんですけど、この冒頭のシーンが良いですよね。こうなんか神々しい感じがするというか、セリフも無いんですけど、ここカッコ良いな〜って思いながら観てましたよ。石油が出てくるとことかもおーすげー!みたいなね。
主人公のダニエルさん。コツコツ採掘していたところから、石油を発見し、どんどんと成り上がっていくんですけど、んまぁ感情移入出来ないんですよ。この人何考えてんだろってずっと考えてましたよ。『ウルフオブウォールストリート』のレオ様みたいな感じだと分かりやすいじゃないですか。欲望のままにそのままにって感じで。でもこのダニエルさんはそうじゃないんですよね。お金への執着ってのもそんな感じられないし、家族のためって訳でもないし、良いオンナ抱きてえって事でもなし、この人何のために石油屋やってんの???って感じですよ。どうして血も肉も魂までもそこまで石油に注げられるの???そんな彼の気持ちを色々と想像するのがんまぁ楽しかったですね。
そして、もう一人の主人公ポールダノが演じてるイーライですよね。イーライが双子っていう設定のせいで最初出てきた時若干混乱したんですよね。アレ?こいつさっき出てきた奴じゃね?アレ?あ、もしかして双子?そんな混乱させてくれた割にあんま双子の意味ねぇじゃねえか!とか結果思いましたけど笑まぁいいや。この映画結局のところイーライとダニエルが終始わちゃわちゃしてるってのもあるんですよね。イーライは神父さんで信仰を皆に広めたいって考えで、一方、ダニエルは最初こそ「私はどんな宗教でも信じる」みたいな事抜かしてますけど、この人は自分だけしか信じてないんですよね。だからラスト、イーライと対峙するあのシーンは「俺はこの人生で神なんて居ない事を証明してやったぞ!俺が神だろ!」的な事をダニエルは考えているんじゃないでしょうかね。1人の男の成り上がりモノとしても面白い映画ですけど、信仰とは?みたいなところも面白いなぁーと思いました。バスンと閉じるあの終わり方も最高にクールで大好きでした!
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