デパルマ

ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのデパルマのレビュー・感想・評価

2.0
この映画は絶対にもう一度観ないと気がすまない。とりあえずPTAの新作観に行くことは決定した。ダニエル・デイ=ルイスが引退すると聞いて悲しくなって堪らず借りて来たのだが、もう凄まじい演技。カメラさえ回っていれば人でも本気で殺しそうな気魄。プレインビューという男はどういう人物なのか、2時間半彼の芝居を観てもその内面に迫ることは殆ど不可能に近い。吹替の壤晴彦さんも原語版よりグラデーションが薄い一辺倒な演技?で、観客に容易に共感させない雰囲気。

本来、演出や音楽の臨場感によって浮き上がる主人公のただならぬ狂気や生き様に圧倒されるところが、この映画の最大の魅力なのだろうけど、どうしても僕は、演劇を少しかじってしまったせいか、俳優目線や演出家目線で観てしまい(それが原因かどうかも定かではないが)、辻褄が合わない人物像や向かう先が予測できないストーリーに困惑して快感を得られないままエンドロールを迎えてしまった。

彼は日本で言うところの、九州男児、『花子とアン』で吉田鋼太郎が演じた炭鉱夫、嘉納伝助とかになるのかも。いやちょっと違いますね。やっぱPTAは観客が(てか私が)置いてけぼりになりがちな監督。面白いのは分かっているが、自分に嘘つきたくないので低めの点数で。とにかく『ファントム・スレッド』行きたくなった!!
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