図師雪鷹

ゼア・ウィル・ビー・ブラッドの図師雪鷹のレビュー・感想・評価

4.2
この映画は、石油を掘るダニエルおじさんが、『シェイクうんめーー!』と言いながらチューチューするお話です。


これだと、ちょっとアレですね笑


この映画は、ダニエル・プレインビューという石油を掘る男が、欲に溺れ、破滅の道を辿る物語である。


冒頭は、ダニエルがひたすら土の中を掘るシーンから始まる。この時のダニエルは、見た目がみすぼらしく、孤独で、ただひたすら『富』という夢を追いかける貧乏な男のように見えた。だが、ある時、ダニエルは、ポールという青年から油脈の情報を聞き出す。そこから、ダニエルの人生は変わった。


だが、彼の人生はそううまくいかない。多くの壁に挟まれ、彼は人との繋がりを拒絶するようになってしまうのだ。「充分な金を稼ぎ、全ての人から遠ざかりたい」これが、ダニエルを一番端的に、そして正確に表しているセリフだと思う。観客は、彼の若い頃の人生を見ることは叶わない。亡くなった弟の写真を見たダニエルがくしゃくしゃになって泣くシーンで、彼の人生とはどんなものだったろうかと疑問に思うことができるくらいだ。


ダニエルの欲張りさにはなかなか敵うものはいないだろう。彼にとって、油脈の情報は苦労してきた自分に対するご褒美と思っていて、その恩恵に与る者は自分以外いらなかったに違いない。息子を拒絶するシーンで、それがよく現れていると感じた。


最後のシーンが一番面白かった。ダニエル・デイ=ルイスとボールダノの演技が凄すぎて、あれはもはやギャグにすら感じた。とにかくダニエル・デイ=ルイスの狂気が溢れ出ている。必見です。
図師雪鷹

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