ゆゆこ

ボビー・フィッシャーを探してのゆゆこのレビュー・感想・評価

4.8
チェスの才能に目覚めた少年の、実話に基づいたストーリー。

ある程度の展開は読めちゃうものの、この少年の心情や言葉、周囲の言動に思わず心を動かされる。

子どもの才能に気づいた時、親は結構先走ってしまいがち。
「もっと良いコーチを!」
「もっと良い環境を…!」

だけど、子どもは子ども。彼の本望はチェス漬けではない。トロフィーをいっぱい勝ち取ることだけでもない。それは親の喜びであって、ジョシュのものとは違う。
みんなと遊べる広い校庭、お父さんとのキャッチボール…。

スランプに陥ったある時、説教をする父親にジョシュが呟く。
「なんでお父さんは、そんなに僕から離れてるの?」

彼の1つ1つの眼差しに胸が苦しくなる。

自分の言うことを聞かないジョシュに、思わず大人気ない態度を取ってしまうコーチのシーンでも、ジョシュを思うと胸が痛い。


"I'm scared."

"...I know. "

辛い時こそ、そう言って優しく抱きしめてあげる存在が、そばにあって欲しいものだ。
純粋に、良い作品だった。