三四郎

女中ッ子の三四郎のレビュー・感想・評価

女中ッ子(1955年製作の映画)
3.0
東京と秋田の暮らし、裕福だがどこかあたたかさに欠けた家庭と貧しいながらも愛情に満ちた家庭。
全く別物のストーリーだが、1957年の増村監督作品『青空娘』と比較してしまった。それと比較すると、当然だが、『女中ッ子』の加治木家の方がまだ常識的で、救いがあるように思えた。

ラストの初が勝美に別れを告げに行くシーン。何も知らぬ勝美の素っ気なさに初のハッとするような目…。勝美もいつしか成長していたのだ。走って校舎の中へ入って行く勝美。これが二人の永遠の別れであれば淋しすぎるが、校舎の中へ入った勝美は振り向いて初に笑顔で手を振る。初もそれに応える。原作がどうなっているか知らないが、ここにこの映画のあたたかさ、田坂監督の優しさを感じた。
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