ミシンそば

ざくろの色のミシンそばのレビュー・感想・評価

ざくろの色(1971年製作の映画)
3.4
過去鑑賞
(他サイトで、別名義でしたレビューを一部改稿しての投稿です)。

詩人の生涯を描いた映画ではないと言ってはいるが、DVDに付いていたパンフレットに書かれていたサヤト・ノヴァの生涯を描いた作品であることはわかる。
そこは多分、観る側に解釈を委ねている感じか?

ともかくそれを、幻想的かつ抽象的に描いており、 分からせようともしていないような難解な表現、精神世界的な言い回し、ラコニズムが多分に散りばめられているため、去年これを初めて観た自分には1時間20分にも満たないランタイムが長く感じられた。

解説ありきであれば、ラコニズムの中にサヤト・ノヴァの生涯を投射することも可能(もちろんしないことも可能)で、映像の圧倒的華美さは間違いなく一見の価値があり、人によっては一生心の中に凭れかかるほどの衝撃を受けると断言できる。
人は選ぶが、紛れもない傑作だった。

パラジャーノフはこれの他に「スラム砦の伝説」と「アシク・ケリブ」のソフトを持って(積みDVD状態)いるが、近いうちに観たい。
出来れば今年中に。