Yoshimasa

サムライのYoshimasaのレビュー・感想・評価

サムライ(1967年製作の映画)
3.5
今度公開される『ベイビー・ドライバー』の予習として鑑賞。

昔、ヌーヴェルヴァーグ作品をいくつか見たがどれも合わず、その時代の作品は見ないと決めていた。この作品もその時期のものだが、とてもおもしろかった。

タイトルにある通り、よくイメージされるようなまさに一匹狼ともいうべき”The 侍”な主人公。そしてやたら綺麗なコールガール。主人公を執拗に追う刑事。そして新たな敵。登場人物は少なめで、設定も複雑じゃない。ゆえに主演の演技でもって引っ張って行く作品なわけだが、そこはアラン・ドロン。もう顔じゅうから色気が垂れ流しで、その一挙手一投足がすべてフェロモン。まぁかっこいい。

そしてこの映画の監督・ジャン=ピエール・メルヴィル。細かい。しつこい。地下鉄で逃げるシーンとか、盗聴器仕掛けるシーンとか、ほかの映画だと省略するかもっと簡単に描くところを延々と映す。この主人公もやたらと神経質だったり完璧主義なところがあったけど、そこの輪をかけてそんな映像だから、若干しつこく見えてしまうところもあった。かと思えば、できるだけ余計な部分をそぎ落として説明も必要最低限に抑えている部分もあったので、そういう意味ではバランスが取れているのか。

とにかくアラン・ドロンかっこよすぎ。それに尽きる。
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