しげのかいり

サムライのしげのかいりのレビュー・感想・評価

サムライ(1967年製作の映画)
4.7
青みがかった色彩で描かれる虚無的な殺し屋の死に様。警察は殺し屋であるアラン・ドロンをつけて回るのだが、いつも煙に巻かれて行く。彼の用意周到な仕事によって、証拠が全てなくなっているからだ。彼は紛れもなく殺人を犯した。パリの街頭を歩いていた所を見た人間もいる。しかし全ては夢のようになかったこととなって行く。

本作では多くのカットの切り分けが、ドアと一体になって成立している。都市を歩くトレンチコートの男を撮るノワール映画としては効果的な使い方だろう。