タラコフスキー

サムライのタラコフスキーのレビュー・感想・評価

サムライ(1967年製作の映画)
4.8
ジャン=ピエール・メルヴィル とアンリ・ドカエが組んだ最後の作品となってしまったが、それに相応しい力作となっていたのは幸いだった。

この作品はメルヴィル初のカラー撮影でもあったわけだけど、カラーになるとモノクロの渋みや重みが無くなって屡映像の力が減じてしまいがちだが、アラン・ドロンのクールな演技の力もあってか依然渋くてキレのある作品になっていたのは流石。

勿論メルヴィル の演出とアンリ・ドカエの撮影や照明のキレも凄まじく、真の意味で格好良い映像世界に痺れないわけにはいかなかった。

サイレントに音を付属させた程度の寡黙な表現も実に魅力的で、これぞまさにサイレント期から続く映画技法の正統進化系と呼べるもので、この洗練された質感が堪能できるからこそメルヴィルの映画は病みつきになる。

要約すれば、やはりメルヴィルの映画を代表するこの作品は格好良い、それだけで彼の作品は評価に値するし愛すべきものだと断言できる。