いがらっしー

ボクは五才のいがらっしーのレビュー・感想・評価

ボクは五才(1970年製作の映画)
3.9
小学校1,2年生の頃だったと思う。小学校の体育館で皆で鑑賞した。
『母を訪ねて三千里』の父親版といった感じで、父と息子の久しぶりの邂逅には、誰もが感極まって泣いていた。行き着くまでの障害が幾つかあって、ストーリーも上手く出来ていて(実話らしいが)、画も良かった。
どうか捕まらずにお父さんに会えます様に‼️と、ハラハラドキドキしながら観たのを覚えている。
あの頃、子どもなりに、自分より小さい子が、自分のスケッチを頼りに大冒険をしている姿に驚き、世の中には父親が遠くまで働きに出て帰ってこないという家庭もある事を初めて知った。

大人になって改めて見直して観ると、少々ナレーションや子どもの過剰演技など煩わしい処もあるけれど(子どもに理解しやすくしているのか?)、やはり、流石はガメラシリーズを制作された湯浅憲明監督作品!単純に児童向きとは言い切れず、その時代を鋭く捉えていることに気がついた。
万博や山陽新幹線という一見、華やかそうな世界の裏側にも、高度経済成長を支えた人達の血と汗と涙が潜んでいた事を我々は決して忘れてはいけない。
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