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日本沈没のjun2kmのレビュー・感想・評価

日本沈没(1973年製作の映画)
4.4
あぁ、どないしよう。ああもう何から語り始めりゃいいんやろ。これさぁ、映画やんか。でも、映画という呼び名や範疇に収まらないものやねん。例えば、津波とか地震とかのシーンが出てくるんやけど、、、。あ、そうそう。この映画、いわゆるお正月映画やねん。ぼくが小学生の時(ほぼ50年前)、神戸市の三劇で上映してて、小学校の同級生とかは、たいてい家族と一緒に神戸市の三宮に出かけて、お買い物して、年越し蕎麦食べて、この映画を見て、大晦日を迎え、紅白歌合戦とか見て、お正月になるという流れやねん。つまり年末年始の娯楽作品として楽しんだわけですわ。新年に災害が、いつの日かやってくるとか考えもしなかった平和な神戸市。ぼくの同級生も、この地震(火災)で何人か亡くなりました。話しが元に戻って津波とか地震とかやけど、どう思う? 今、兵庫県に住んでる私達には深く突き刺さりませんか。さすがに神戸市の地震の場面は出てこんけど、もはやNHK特集的な映画です。
当時の地球科学の最先端をとてつもなく吸収した小松左京さんの原作が如何に凄かったかと言うことです。
作品中、海洋底地球科学の用語が出まくりです。乱泥流、リップルマーク、熱水の噴出、海底地滑り、構造線、中央海嶺、、、枚挙にいとまがない。フランスの潜水艇が出てきますが、当時は潜水艇と言えばフランスなんですよ。プレートテクトニクス理論の登場により、多くの地質学者がパラダイムシフトを余儀なくされた頃の映画。そんな時代に、よくもまぁここまで作ったなぁ、と。ちなみに日本列島は実際には沈むことはない筈です。
東大地球物理学者の竹内均さんや作者の小松左京さんも出演してて、ほんま何から語ればええのやら。
143分の映画。でもボクは、この映画の1分毎のシーンにつき5分は語る自信ありますよ。だって海洋底地球科学を専攻してたから。
最後にひとつだけ。冒頭に潜水艇「わだつみ」が出てきます。もちろん「わだつみ」は空想の潜水艇やけど、そのモデルになってるのは海上保安庁の潜水艇「しんかい」です。子どもの頃に神戸市の深江に住んでたんやけど、深江には「しんかい」のドックがあって友達とよく、しんかいを見に行ったりしてたんです。いやはや、「わだつみ」の潜水場面だけで1時間は語ってしまいそうやわ。
あぁ、レビューどころやあらへん!もう長くなりすぎて、ここでやめる。
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