べるーし

日本沈没のべるーしのレビュー・感想・評価

日本沈没(1973年製作の映画)
4.7
東宝特撮の個人的神作。最近アニメ版が作られましたね。

小笠原諸島近海の小島が沈没した事を受けて田所博士らは調査した結果、地殻変動により2年以内に日本が沈没する事が判明するが...というストーリー。


いや〜〜、小説での興奮がそのまんま二時間に纏まっている感動!見直してもそれは変わらず。一国の国民らが放浪の民族となった時、世界は何を為すのか?そして我々の未来について、倫理について何を問うのか?という、原作のストーリー性をエンタメらしく上手く落とし込んでおりましたね。

それと同時に痛い程伝わる昭和の映画事業の凄まじい力量、これが一番大きなポイント。なんたって僅か4ヶ月でこれですよ。しかも脚本家が橋本忍で特撮は昭和ゴジラシリーズのスタッフ。そして特撮も文句無しに凄いし脚本もしっかり面白い。こうして最強の布陣による最強の災害SFが誕生したワケですね。何だか感慨深い。

実写特撮の良い点は実在感がある事。CGとの違い、というと画面の中にしか存在しないのと目の前に実物がある事。それと人の手で直接作られたからこそ感じられる魂!筆者がいつまでも実写特撮派でいられるのはそれがあるからで、今作は画面を観ているだけでもう幸せです。

総評としてはこの上無く素晴らしい映画、なんですけども一つ引っ掛かりが。こればかりはしゃーないけどちょっと会議シーンが長いw それ故に尺がやや長めな気がしないでも無い。削っても良いところに尺を使う辺りが惜しいと思います。なので満点にはしないでおこう。

南海トラフや首都直下地震等等、対策が呼びかけられているこの御時世だからこそ観るべき映画。リメイクは...うん。いつかレビューします。
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