LalaーMukuーMerry

眉山 -びざん-のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

眉山 -びざん-(2007年製作の映画)
4.1
女手一つで子を育てた気丈な母が病で倒れ、一人娘がその影しか知らなかった父を訪ねて、親の過去に思いを馳せる…。徳島の夏を舞台に描かれる美しいお話。

あのお父さんは寡黙でまじめな人で、父親としては申し分のない感じでした。作品の雰囲気にほだされて涙した後に、待てよ、このお父さん、実は東京に奥さんも子供もいるんだよな、不倫話なんだよな、などと余計なことを考えてしまう。こんな美しいお話に水を差すようですが、お父さん、あなたが悪いよ。これが最後、東京の家族には、このまま秘密にしてお墓まで持って行って下さい。

潔く身を引いたお母さんのおかげで、上手に切り取れば不倫話も心に沁みる美しいお話になる、という事ですね。生まれた子供に罪はない。娘さんが、母親の苦労や気持ちを汲んでくれるとても理解ある子に育ってホントによかった。これも、お母さんの曲がったことが大嫌いで、凛とした生き方のたまものでしょう。

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「献体」という行為について具体的なことを、この作品から初めて教わりました。臓器提供とはまた別なのですね。私ならメッセージに何と書こうかな? その心配の前に献体をするかどうか、か。