人間と天使のラブ・ストーリー
モノクロだからこそ表現できた美しい映像と同時に虚無感を見事に映像に落とし込んでいて、天使視点からはモノクロで人間視点からはカラーになるのも″見えている世界の違い″を表現していた様な気がした。
サーカスで働く最後の夜に女の人が空中ブランコをするシーンで思わず泣いてしまった。これで最後か…と言う感情と同時に彼女の華麗さや、それでも皆を楽しませていると言う事実…なんとも切ないシーンだ。
ものすごくビュアでシンプルなラブ・ストーリーなのにも関わらず詩的なセリフ(子供が子供だった頃)や多彩な映像表現で非常に美しい作品になっていた。
エンドクレジット前の″全てのかつての天使、特に小津安二郎、フランソワ・トリュフォー、アンドレイ・タルコフスキーに捧ぐ″を見て納得した。彼らの作品は一つ二つ程見ているが、まさに彼らのいい所を組み込んだ内容だったと思う。
まだ崩壊していないベルリンの壁を見れる歴史的資料としても価値があると思います。