ひろせ

ベルリン・天使の詩のひろせのレビュー・感想・評価

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
4.2
これは…!映像といい、モノローグの詩をはじめとするセリフといい、とてもセンスが良かった。まず、天使がブランコ乗りの女の人に恋するって設定が好きだ。
で、ストーリーはお洒落映画にありがちなお洒落なだけでちんぷんかんぷんってなわけでもなく、ある程度は誰にでもわかるようになっていて面白い。難解で奥が深いので何度も見て味わう類のものかと思うけど。

道行く人々の心の声が聞こえるというのが、世界は主人公たちだけのものではないという見方を示していて、優しいなー。と。エキストラ…人間味あふれる人々、というセリフがあったが、あれは監督自身の声なんだろうな。

「子どもは子どもだったころ…
今だってそうだ」
この物語にはたくさん子どもが出てくる。
それが小津的だなあと。
天使もある意味で子ども。人間だって同じ。いつまでも無知で、新しいものに出会い、好き嫌いがある。

天使が人間になる瞬間は、単純に生きている素晴らしさを感じる。

天使が見る世界がセピア、人間の見る世界は白黒で映されているけれど、
白黒の方が事物の本質をはっきり提示する、という監督の言葉には激しく同意。いっぽうでカラーの鮮やかさは生き生きとした感じを伝える。

ブランコ乗りのお嬢さんがしなやかで美しい。

この監督の映画は「東京画」「セバスチャン・サルガド」に次いで3本目で、ドキュメンタリー以外は初なのだけれど、監督の価値観が一貫しているのが感じられた
平和と人間を深く愛する人なんだなあというのが伝わってくる

女の部屋に日本画?が飾ってあったのが嬉しい。

壁崩壊前のベルリンの物語という意味でも興味深い

あとは刑事コロンボ好きな人はぜひ笑