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ドニー・ダーコの景のネタバレレビュー・内容・結末

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

虚淵玄が一時期Twitterのアイコンにしていたのが『ドニー・ダーコ』という映画に登場するウサギだと知って、映画を積極的に見るようになる前から気になっていたのをようやく見た。よく分からなかったし素直に「面白かった」とも言えないけど、銀色ウサギの不気味なビジュアルが好みなのと音楽が良かったのと、話は分からないけど何故かつまらない作品とは思わなかったので最後まで見てしまった。そうしたところも含めてなんか変な映画だったな。

"世界の終わり" というと文字通り「人類が滅ぶ」状態をイメージしてしまうけど、銀色ウサギが宣告した "世界の終わり" はドニーにとっての世界の終焉を指していたらしい。飛行機のエンジン落下から道が分かれ、ドニー生存ルートだと母親と妹とグレッチェンとフランクが死んでしまうから彼らを救うためにドニーは自分が死ぬルートを選択した、という解釈でいいのかこれ(その割にタイムトラベルを駆使して、みんなが生存出来るルートの可能性を探そうともしないのが気になるけども)。そもそもタイムトラベル自体がドニーの見ている夢か妄想だと疑ったりもしたけど、彼は突然出現したエンジンの落下により死んでいるのでタイムトラベルは実際に行われていると見て良さそう。あのエンジンは母親と妹が搭乗していた飛行機のエンジンだろうから。

しかしグレッチェンとの恋や母親との和解も無かったことになった(?)のに、ベッドの上で楽しそうに笑いながら死を受け入れるドニーの姿は印象的だった。彼はあの短い期間で満たされたからあれほど恐れていた「孤独な死」には至らなかった、とも考えたけどピンと来ないんだよな。ただ、ドニーが死んだ後に訳も分からずドニーの母親とグレッチェンが手を振るシーンは好き。
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