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ドニー・ダーコのkensyoのレビュー・感想・評価

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)
5.0
「あと28日と 6時間と 42分と 12秒。それが 世界の終末までの残り時間だ」

僕が知る限り最も美しい映画のひとつ。

難解、と言われるけれど、謎解きはそれほど重要じゃないと思う。
この映画はSFではなくてあくまで詩的なもの、という感じがする。
客観的・科学的な筋道を追うお話ではなくて、あくまでドニーの主観的な物語だ。

ここで描かれているのは、ドニーにとっての象徴、ドニーにとっての寓意、ドニーにとっての真実、なんだと思う。

だから、キーになる本のタイトルが「タイム・トラベルの"哲学"」なんじゃないかな。

今回プライムビデオで特典対象になっていたのを見つけて観直してみたら、記憶よりも大分鮮明になっていて、昔の映像の、滲んだ感じの方がよかった気がする。HD画質でリマスターされてるのかも。

初期のCGがちょっと古い感じがするかもしれないけれど、映像も音楽も美しいので、みんなにも観て欲しい。

今回観直すまでジェイク・ギレンホールが主演だって気付かなかった!笑
ジェイク・ギレンホールはいつもいい映画に出てる気がする。

他にもノア・ワイリーとかドリュー・バリモアとか、存在感のある役者さんたちが出ていて、良い役をやってる(僕は人の顔を見分けられないので、後になってキャストの欄をみて気づいたけれど)。

群像劇ではないのに、ちゃんと登場人物それぞれにその人なりの弱さや辛さが描かれているところも好き。

最後にドニーが笑うところ、「これを作った人はクリエイターなんだな」って思った。

追記:音楽が綺麗な映画は信じられるって思ってるけど、この映画もそういう映画。
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