マイケル・パトリック・ジャン監督作。
撮影時17歳のキルスティン・ダンストがミスコンに青春を捧げるヒロインを好演したコメディ映画の隠れた佳作で、松田聖子も端役で出演しています。
アメリカ中西部・ミネソタ州の田舎町で母親と暮らしている17歳の貧しい少女:アンバーが大手化粧品会社が主催するミスコンの地区予選に挑むという青春コメディですが、ミスコン候補者が次々死んだり大怪我を負ったりとかなり物騒な笑いに満ちた異色作となっています。
ミスコンを密着取材するTVクルーの視点により、ミスコン出場に挑む9人の女の子たちの奮闘模様を描いたファウンドフッテージ形式のブラックコメディで、最愛の娘がミスコンに出場する元女王の性悪ママの陰謀によって、娘の優勝の邪魔となるライバル候補者が抹殺されていく展開が末恐ろしくもブラックな笑いで映し出されています。
同じくミスコンを題材とした『ミス・ファイヤークラッカー』(1989)や『MISS ミス・フランスになりたい!』(2020)が夢見る者の爽やかな成長ドラマであったのに対し、本作は大人のエゴと不条理な社会に翻弄される女の子たちの夢と挫折の顛末を過激なブラックユーモア満載に皮肉的に描いた異色の青春群像コメディで、主演のキルスティン・ダンストがミスコンに憧れる純朴な田舎娘を溌溂と好演していますし、エレン・バーキン、カースティ・アレイ、アリソン・ジャネイ、デニス・リチャーズ、ブリタニー・マーフィ、エイミー・アダムスら錚々たる若手&ベテラン女優が脇を固めています。