明石です

ソリタリー・マンの明石ですのレビュー・感想・評価

ソリタリー・マン(2009年製作の映画)
4.3
還暦を迎えて孫が出来ても、いつまでも若い男のままのつもりで日々を過ごし、下半身に支配されたハッスルな生活を送っているうちに家族や友人が離れていく孤独な男の物語。マイケル・ダグラスにスーザン・サランドンと往年の名俳優を主演に迎え、脇を固めるのはダグラスの盟友ダニー・デヴィート。そしてジェシー・アイゼンバーグにイモージェン・プーツと、当時をときめく実力派若手俳優が揃い踏み。なのにこんなに見過ごされてる映画ってちょっと他にないのではと思う。

年相応に大人になれなかった壮年男が、大人になれなかった代償として色んなものをぼろぼろと失ってしまう、正直言って救いのない話ではある笑。作中でダグラス扮するソリタリーマンが「こうはなりたくないだろう?」と若者に語るシーンがあるけど、たしかにこうはなりたくないなあと身につまされる笑。また「30年前は誰にでも注目されたが、今では俺を知るのは老人のみ。まるで透明人間だ」という台詞、往年のダグラスが演じてきた成功者の役柄のその後と思うと、役のイメージとも合致して相当なリアリティがある。

仕事や女遊びなどその時々で大事と思う刹那的な物事にかまけているうち、人生において本当に大事なもの(愛とか家族とか)を見失ってしまった男、、タイトルからある程度予想はついていたけど、それ以上でしたね。こんなに哀しい視聴後感はなかなか得られぬ。自分がまだ若いと言えるくらいには若いことをありがたく思ったよ、、正直な話。もう少し時間はある、と思い込んでるうちにこうならないよう気をつけなきゃ。
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