宇宙船ノストロモ号が、巧みな防衛機能をもつエイリアンに襲われた。
金属を溶かしつくす「血液」をもつエイリアンは、人間に寄生して成長する。
総勢7人の乗組員が、次から次へと犠牲になっていった…。
恐怖と絶望、美しさとエロスを持ったSFホラーの金字塔『エイリアン』。
1979年、リドリー・スコットの名を一躍有名にしたSF映画の傑作と言われている作品。
限られた空間の中で、得体のしれないものに襲われていくホラー要素を取り入れた映画。
膨大なお金をかけてセットなど作らなくても、十分にSF的スケールと異星人との緊張感のある対峙、そして宇宙での人間の孤独が描かれている。
未知の生命体であるエイリアンに対し自分達は有効な銃火器を持っておらず、火炎放射器(これは有効ですが)や即席のセンサー、殺傷力の無い電気ロッドなどで対抗しなければならないという事。
そして逃げ場の無い狭い空間、この2つが恐怖ポイントではないでしょうか。
そしてH.R.ギーガー氏のエイリアンの造型はあまりにも有名。
かっこよすぎ…
エイリアンの巣、輸送船の通路、アンドロイドのメカニズム、船内の計器・操作器具等…細部に至るまでリアリティを追求されてます。
この色褪せない近未来の世界観を映像化できたのは、ひとえにスコット監督の美的感覚によるところだと思います。
前半はスピード感があまりなく、クライマックスにかけてどんどん加速していく展開は、メリハリが効きすぎていて良かった。
エイリアンの登場自体多いものではないですが、緊張感や影や光の調整の巧みな出来にビックリしました。
宇宙船の中の様子とか、SF小説で空想してた通りですし、特にお気に入りは、ラストの方の自爆をセットするシーンですね。
主人公とある意味同化しながら、あせりながら見てました。
しずく、スモーク、ストロボ、闇、全てが恐怖を煽る材料となる。
観ている側を追い詰めるやり方は、他の追随を許さない。
一度は観ておくべき一作です。